↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

78/138

第77話

「ここです」

エルドファーネが案内した服屋の前に、エルアーノが危惧した仲間たちの所に連れていかれて、金目のものを奪われるようなことはなかった。

トトトゥーナたちはお礼を言うが、アクセルだけはぼんやりしていてお礼は言わなかった。

特にエルドファーネはアクセルに対して何か言うことはなかった。

服屋の名前は〈ヴェネッタ〉

エルドファーネと別れてトトトゥーナたちは店に入ると、キリーベルが美しい店員とドレスについて話し合っていた。

美しい店員はトトトゥーナたちに気がつくと、声をかけてきた。

「いらっしゃいませ。本日はどういったご用でしょうか?」

どことなく、ギットレイドに似ている。

「私はあなたのお兄さんの部下なのだが、一週間後に美味しいパンの試食があるのだが、よければ参加しないか?」

美しい店員が目を白黒させていると、キリーベルが話に乗ってきた。相変わらず女装をしている。

「あらいいじゃない。アタシも美味しいパンを食べたいわ。エリュシアも食べればいいじゃない」

「エリュはにーにーから何も聞いてありませんが。まずは名前を聞きたいであります」

「おっと失礼した。私はエルアーノ・エルロランに、番のアクセル・フィールドにその妹のステラ。今はいないが竜人族の番のトトトゥーナだ」

「エリュはエリュシアであります。よろしくお願いするでありますよ」

「一応アタシも自己紹介するわね。アタシはキリーベル・ヴォンリックよ。よろしくねぇ」

エルアーノは眉を寄せる。

「ヴォンリック辺境伯家の者か?」

「そうよ」

「娘は一人だけのはずだが? 分家の者か? だがしかし娘はいなかったはずだ」

「ウフフ。アタシ可愛い物が好きな一応嫡男よ」

エルアーノとステラは驚く。キリーベルはウフフと笑う。

「娘は我が儘。嫡男は女装癖。まともな子供がいないヴォンリックよ」

「驚いたが、まあ人に迷惑をかけていないのなら、いいんじゃないか?」

キリーベルは目を丸くして、笑う。

「ありがとうね」

アネモネが泣き出した。アクセルは宥めるが泣き止まない。

奥の部屋から美しい女性が出てきた。

長い耳に褐色の肌をしている。

美しい女性はアクセルを見るなり美しい顔を歪めた。

「今さら何しにきた!?」

ぼんやりしているアクセルに、美しい女性は眉を寄せた。

「ユージーンじゃない?」

ステラがアクセルの前に立った。その間アネモネは泣き続いている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。