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第73話

ムイフレスと分かれてトトトゥーナたちは〈赤い屋根のパン屋〉に向かった。

「あら。おかえりなさい」

暇そうなアリサが出迎える。

トトトゥーナはアリサに酵母と元種について教える。

前もってギットレイドが美味しいパンについて話してあったために、スムーズに話ができた。

一週間後またくることを約束して、厨房を借りてプリンを作った。

アリサたち家族もプリンを食べて感動する。

「これ売ってもいいでしょうか?」

父親が尋ねる。

「うーん。商人ギルドマスターがレストランで出したいみたいなの。だがら駄目だと思うの」

「そうですか」

肩を落とす父親に、母親が励ますように肩へ手を回した。

「酵母と元種を教えてもらったのよ。それをこなさなくちゃいけないわ」

「アリサの言う通りね」

「そうだな」

「改めてお礼を言うわ。ありがとう」

「ちゃんとした自己紹介してなかったわね。私はアリサよ。それでお母さんはロザリアで、父さんはジャンよ」

「トトトゥーナなの」

トトトゥーナはエルアーノたちを紹介していくと、アクセルが並んでいるパンに手を伸ばすのを、エルアーノが防ぐ。

「勝手に取ったら駄目だアクセル」

ステラもアクセルを叱る。

「兄さん駄目ですよ」

ロザリアは並んでいるパンを手に取ると、アクセルに差し出した。アクセルは恐る恐るパンを取った。

エルアーノが懐から財布を取ろうとしたのを、ジャンが笑顔で止めた。

「いいんですよ。酵母と元種について教えてもらったんで」

エルアーノとステラはジャンにお礼を言う。

「よかったですね。兄さん」

アクセルはパンを思いっきり嚙み千切るのだった。

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