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第67話

ムイフレスは青年に向かって電撃の魔方陣を構築して放つが、触手が受け止めて魔方陣を真っ二つに裂き、魔方陣を消す。

「邪神のなりそこないね」

リデルエリエーゼが他人事のように言う。

青年の額に黒い眼球が開く。

「元に戻す方法は?」

向かってくる触手にグレンアーグは糸を張り巡らして防ぎながら尋ねる。

「ここまでくると無理よ。私たちができることは魂を解き放すだけね。そうすれば輪廻に乗れて生まれ変えることができるわ」

「そんなっ! そんなの駄目なの!」

トトトゥーナはムイフレスを見る。

「ボクが助けるの! ムイお願い彼の側まで連れていってほしいの!」

「……トゥの願いを叶えよう」

トトトゥーナを見ていたトーマは困惑している。

「馬鹿な。何故だ? 何故憎悪の塊に触れても平気なのだ。あの娘は一体何者なのだ」

ムイフレスは魔方陣を構築すると手の中にスコップを握りしめる。

エルアーノはそれを見て残念そうな顔をする。

「ベルベルト。ベルベルトの顔でスコップはやっぱり似合わないと思う」

スコップを武器に使うことにエルアーノは残念な顔でムイフレスを見る。ムイフレスは鼻を鳴らし、向かってくる触手をスコップで打ち飛ばしていく。

その隙をついて青年の前に立ち、そっとトトトゥーナを下ろした。

下ろされたトトトゥーナは青年を抱きしめた。

「トトトゥーナっ!」

まさか抱きしめるとは思っていなかったムイフレスは激しく動揺するが、青年から黒いモヤを吸い取るトトトゥーナに目を見開く。

「トトトゥーナ!」

手を伸ばしてトトトゥーナを青年から引き離した。

青年の眼球が白く戻っていき、額の眼球も閉じた。

トトトゥーナはホッとし、青年はにこりと笑った。

「ありがとう。私はルーベン・エミリート。親父さんに、モリス・ランリーさんに、私は遠い地で成功したと伝えて下さい」

青年の体が膨れ上がり、ムイフレスが翼でトトトゥーナを包み込んで隠したのと同時に、青年の体は破裂して、飛び散った肉片は消滅していった。

「一時的だが、正気に戻しただと?」

トーマは驚愕する。

「お前は一体何者なのだ!」

トーマの体に糸が巻きつく。

身動きが取れないトーマの髪の毛が羽に変わり、糸を引き千切った。

「お前は有翼人か。まだ生き残りがいたとはな」

グレンアーグの指摘に、トーマは舌打ちする。

トーマはアクセルに顔を向ける。

「アクセル! こいつらを倒せ! 戦え! 記憶を思い出せ!」

ぼんやりとするアクセルにトーマは顔を歪ませ、羽となった髪の毛を掻き毟る。羽がはらはらと落ちていく。

「何故なのだ何故、何故正気に戻ったのだ。ありえないありえないありえない」

トーマは剣の刃を握りしめると、血を流す。

岩場に血が垂れたとき、魔方陣が浮かび上がった。

浮かび上がった魔方陣から、ギムガントンが出現した。

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