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第57話

子供たちがメレンゲクッキーの美味しさを知り、真面目にメレンゲクッキー作りを開始した。

「まずは知ってもらうのが大切だと思うの」

メレンゲクッキーを袋に入れる子供たちにトトトゥーナは説明する。

「孤児院代表にマシューを連れていきたいの」

「わたしも手伝いたいです」

ステラが主張するとアクセルも行くと主張する。

「アクセルも行くのか?」

エルアーノが心配するが、アクセルは行くと一点張りである。

「なら私も同行しよう」

「オレが行っても馬鹿にされないかな?」

「大丈夫さね」

心配するマシューの頭をコゼットが撫でた。



薄汚い少女が老人の鞄を強奪して、大人たちから逃げていた。

花柄の瞳を持つ少女は野次馬の男にナイフで腹を刺された。

周囲は悲鳴を上げ、刺した本人も狼狽える。

アネモネを抱いていたアクセルは、花柄の瞳を持つ少女がアネモネを見てどこかホッとして倒れるのを目にする。

騒ぎを聞きつけた警備兵がやってきて、刺した男を捕まえる。捕まった男は騒ぎ立て、強引に連れられていく。

倒れている少女の首元に警備兵は手を当てて、、首を振る。

アネモネが泣いた。

アクセルは背中をトントンと叩きながらエルアーノが呼ぶ方向に顔を向けた。

どこかホッとして死んでいる少女は、麻袋に入れられていく。

「アクセルどうしたんだ? 何かあったのか?」

人が集まる広場に目を向けながら、エルアーノが尋ねる。アクセルはアネモネを宥めながら首を振った。

「何でもない」

トトトゥーナが商人ギルドの前で呼んでいる。

「行くぞ」

エルアーノは先に向かっていき、アクセルは振り返り、麻布に入れられていく少女を見る。

「アクセル」

エルアーノの呼び声に向き直り、泣くアネモネを宥めながら追いかけていった。


「脳に効く甘いお菓子なの」

受付の職員にトトトゥーナは売りつける。

職員は試食用のメレンゲクッキーを食べると目を丸くした。

「何枚入りでいくらですか?」

「五枚入りで五百ルンなの」

「一ヶ月分契約しますから、二割引して下さい」

「一割引なの」

いつの間にか現れたエドモントが試食用のメレンゲクッキーを口に運んだ。目を丸くし、トトトゥーナに向き直る。

「二十個分で一年間契約しますので、二割引でお願いします」

「分かったなの」

「では契約書を作りますのでサインして下さい」

「あ……契約書」

「まさか口頭だけで契約を結ぶつもりだったんですか?」

トトトゥーナは恥ずかしそうに顔を伏せる。

書面での契約について頭から抜けていたのだ。

ムイフレスは気にすることはないとトトトゥーナの額にキスをした。

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