第52話
エドモントは微笑みながら紅茶を飲む。
「それはそれは」
「メレンゲクッキーと黄身を使ったクッキーなの」
トトトゥーナは孤児院でメレンゲクッキーとそれから出る黄身で作るクッキーについて話す。
「確かに寄付となりますと面倒ですからね」
「メレンゲクッキーと黄身を使ったクッキー、登録お願いなの」
「分かりました。最優先で登録しましょう」
「ありがとうなの」
ムイフレスはトトトゥーナの気を逸らそうと顔中にキスをする。
トトトゥーナは擽ったそうに笑い、エドモントは微笑みながら紅茶を飲んだ。
孤児院に戻ると何やら騒がしい。
何事かと思っていると、どうやら赤ん坊が泣いているようだった。
「あれ? 赤ちゃんっていたの?」
コゼットが出迎える。
「おかえりさね。それが門の前で捨てられていたのさね」
その赤ん坊はアクセスが抱いていて、ミルクに染み込ませた布で授乳していた。
「珍しい花柄の瞳さね」
「名前は?」
「それが身元を知らせるものはないさね」
「どうするの?」
「院長が名前付けたさね。名前はアネモネ・レートンさね」
アクセスは授乳を終わらせると背中を叩いてゲップを促した。
手慣れていることにトトトゥーナは驚く。
「わたしの面倒を見てくれたのは兄さんなんです」
ステラは体を揺らすアクセスを見ながら言う。アネモネは大きなあくびをして、眠る。
そこにエルアーノが帰ってきた。
「戻ったぞ! さあ作ろうではないか!」
興奮するエルアーノにトトトゥーナたちが口元に人差し指を立てて静かにするようにサインを送る。
エルアーノは驚き、アクセルが抱くアネモネを見る。
「赤ん坊なんていたか?」
トトトゥーナと同じ質問し、コゼットが二回目の説明をした。
ステラもアクセルが親代わりになっていたことを説明する。
「なすほど。きっと記憶を失っても体が覚えているのだろう。将来きっといいパパになるだろう」
そう言った後にパパという言葉にエルアーノは照れた。
「アクセルがパパなら、私はママか。まだそんなの、まだ早いな」
エルアーノはエヘヘと笑う。
男勝りなエルアーノが、アクセルに対して乙女になっている。




