第4話
ムイフレスたちは森の中に降り立つが、トトトゥーナはムイフレスの腕の中から下ろしてもらえなかった。
「隊長!」
長い兎耳の男が声をかけてきたことに、トトトゥーナはビクっと驚く。
「心配はいらない。俺の部下だ」
ムイフレスがトトトゥーナの額にキスをする。トトトゥーナは驚いたが、長い兎耳の男も驚く。
「もしかして、番!?」
エルアーノはああ、と頷く。
長い兎耳の男は驚いた顔でトトトゥーナを見ると、ムイフレスが嫌そうに翼でトトトゥーナを隠す。
「隊長。何処から拐ってきたんですか?」
「魔鳥に拐われていたんだ。見るな」
「いいじゃないですか。だから急に竜化して飛んでいっちゃったんですか?」
トトトゥーナは翼の間から長い兎耳の男を見る。自分がいた星にはいなかった種族であることに、改めて別の星にいることを実感する。
「オレ、ルパート。ルパート・グルナっていうんだよ」
にこにこしながらルパートが手を振り、トトトゥーナは翼から顔を出した。
「ボクは、トトトゥーナなの」
「まあ。呼べないけどね」
「え? どうしてなの?」
「雄の前で番の名前を呼ぶことは、自殺願望な奴だけだからね。あれ? 知らない?」
まるで尋問をかけられていると思うのは、実際にかけているからだろう。
トトトゥーナは困った。元の星には、番なんてものはなかった。あったのかもしれないが、トトトゥーナは知らない。
「何の真似だ?」
凍てついた声が、した。
「誰の許可を得て、尋問している?」
殺気がルパートを襲う。顔色が悪くなるルパートは思わず嘔吐した。
「ムイフレス」
思わずトトトゥーナが声をかけると、殺気が飛散され、額にキスを受けた。
「どうした?」
「何でもないの」
「何でもなくても呼んでくれて嬉しいよ」
「本当なの?」
「ああ」
ムイフレスは頷き、何も言わないのをいいことに、トトトゥーナの額にキスをするのだった。




