第44話
アクセルはグレンアーグが構築している魔方陣に目をやった。
舌打ちするアクセルは、迫りくるギットレイドに向けて舌を出した。舌には魔方陣が刻まれており、浮かび上がった魔方陣から剣が放たれる。
ギットレイドはそれを紙一重で躱し、アクセルは目をグレンアーグの魔方陣にやると、ギットレイドに放たれた剣がグレンアーグの魔方陣の所へ飛んでいき貫いた。魔方陣が搔き消え、アクセルは立ち上がり剣を突きつけると無数の魔方陣が構築されていくが、それらは凍り散った。
アクセルはムイフレスの魔方陣に目を向ける。
ギットレイドが思わず笑った。
「上級クラスの魔方陣を扱うことは禁止されているけどねぇ」
「下級クラスの魔方陣でこいつを止められると思うか?」
「思わないねぇ」
アクセルは荒々しく呼吸し、舌を出して剣の刃を舐めた。
炎が纏いアクセルはムイフレスたちに炎を纏った衝撃波を放った。
ムイフレスが無数の魔方陣を構築させて炎の衝撃波を防ぐ。
防ぎきったムイフレスは、翼を少し広げてトトトゥーナの様子を見る。
「大丈夫か?」
トトトゥーナは頷き、下ろしてとお願いする。ムイフレスはそのお願いを聞いた。
トトトゥーナは、荒々しく呼吸するアクセルに眉を下げた。
「あなたは、ステラのお兄さんでしょう? どうして妹を生贄にしても平気なの?」
「あぁ?」
「兄さんは悪くないんです。わたしの分まで邪神教に酷いことをされて、心が壊れてしまったんです」
ステラがアクセルを庇う。
「邪神教に世界を破壊して、そして再生したからって、何になるの?」
「そしたら誰もが幸せになれるんだ。そのために妹は生贄の使命を全うしなくちゃいけねえんだ」
リデルエリエーゼは呆れる。
「あのままだったら憎悪に飲み込まれて邪神のなりそこないに変貌していたでしょうけど」
でも、まあ、と森を見る。
糸で巻き付けていた黒ずくめたちが森の奥に引きずり込まれていった。
アクセルの体も森が乗り込んでいく。
枝がアクセルに巻きつき、森の奥に引きずり込もうとしている。
エルアーノは目を見開き、抵抗するアクセルを見る。
ステラを側にいたロズに押しつけ、アクセルに駆け寄ろうとした。
ギットレイドが羽交い締めにする。
「森に乗り込まれるぞ!」
「嫌だ! アクセルは私の──」
「うわあ──!!」
アクセルは森に飲み込まれた。
エルアーノは顔を歪める。




