第37話
森との境界線の集合に、新しい隊員が二人きていた。
一人は胸が大きく丸みのある耳を持つ女性で、もう一人は長い耳を持つ美しい男性だった。
ギットレイドがムイフレスたちに紹介する。
「ファーリス・エヌヴァートと、もう一人はアシュトン・ツィットだ。二人とも自己紹介を」
二人はムイフレスが抱き抱えるトトトゥーナに目線がいくが、敬礼した。
「ご紹介にあずかりました。黒豹族のファーリス・エヌヴァートと申します。前の班でセクハラを受けていましたが、この班に早く慣れたいと思います。それから前衛でした。よろしくお願いします」
「ご紹介にあずかりました。見ての通りエルフ族のアシュトン・ツィットッス。前の班ではパラハラを受けていましたが、ベルベルト隊長の班になれて嬉しいッス。それから後衛で補助の魔方陣が得意ッス。よろしくッス」
トトトゥーナは拍手する。
「ボク。ボクは、トトトゥーナなの」
「隊長の番ですよね?」
「番なら待ち部屋があったはずッス。どうして連れてきてんッスか」
「お前らに関係ない」
「今我が儘嬢がきているんだよねぇ」
説明するギットレイドに、レオンが手を上げた。
「俺、その我が儘嬢と婚姻することになりました」
ムイフレス以外の者が驚く。ムイフレスは興味なさそうにしている。
「どうしてなの?」
トトトゥーナの疑問の声に、レオンは苦笑う。
「男性寮に、ベッドが現れまして。よく見ると裸の我が儘嬢がいまして。群がる男たちから助けたんですけど、裸の姿に誘われまして」
「ソフィアは何て言ってるの?」
「相変わらずですよ。でも何だか可愛く見えて」
「あれが可愛く見れるなんて、レオンさんは物好きですね」
ファーリスがしみじみ言うと、アシュトンも頷く。
「あのご令嬢は確か辺境伯家のご令嬢だよな? 辺境伯家の当主様がよくお前を殺さなかったよな?」
ロズが不思議がる。レオンは苦笑いしながら頬を掻く。
「キリーベル様が当主様を説得してもらえたんだ。嫁の当てがないソフィアにピッタリだと。このままだとよくて後妻で悪ければご老人にしか嫁ぐしかないとな」
「まあ、顔がいいってだけで使用人になれって言ってきたんだ。顔は好みだろうよ」
「まあ、番主義者って訳じゃないし」
「それで番が見つかったらどうする気だ?」
何処か元気がないエルアーノが尋ねる。
レオンは耳を伏せながら答えた。
「俺は我が儘嬢を選びますよ。無責任なことできませんので」
「そうか。そうだな。その通りだな」
レオンはそう言って、ハッとする。エルアーノはルパートにフラれたことを思い出す。パートナーのエルアーノではなく、番を選んだのだ。
「その、あの、えっと」
言葉が見つからず、あたふたしてしまう。
「おめでとうなの? おめでとうでいいの?」
「あ、ありがとうございます」
ムイフレス以下祝福する。
「ほらムイも。おめでとうって言うの」
「おめでとう」
興味がなさそうにムイフレスは祝福するのだった。




