第32話
青色の瞳が夜色へと変わっていた。
瞳に顔色が悪いルパートを映す。
最初に異変に気がついたのは、トトトゥーナだった。
「ムイ」
「どうした?」
「あれ」
トトトゥーナはグレンアーグに指を指す。
その方向に顔を向けたムイフレスたちは目にする。
自身で起き上がるグレンアーグを。
それにエルアーノと夜の妖精も気がつく。
夜の妖精は目を丸くして、エルアーノはホッとする。
ボサボサになった前髪を掻き上げて、グレンアーグは顔色が悪いルパートを見た。
「どうして!?」
夜の妖精が声を上げて驚く。
「死体だったのよ!? 死体をお人形にしたのよ!? それなのにどうして勝手に動いているの!?」
グレンアーグは夜の妖精を見た。
「そーれはおーれにも、分かんなーいーね」
指を動かし、ハッとしたムイフレスが顔色の悪いルパートを押すと、前に押された顔色の悪いルパートの首に向かって糸が逸れた。
首元に手をやったルパートは、糸を自由に操るグレンアーグを見る。
グレンアーグにエルアーノは声をかけた。
「グレンアーグ! 無事だったか!」
エルアーノは顔を向けたグレンアーグの夜色の瞳に無事ではなかったことを知る。
夜の妖精が人形に変えたのだと顔を歪める。
「グレンアーグ。グレンアーグ。どうした? どうしたんだ一体。グレンアーグ」
「俺は死んだ」
そう呟くグレンアーグに、エルアーノは夜の妖精を睨みつけた。夜の妖精は首を振る。
「私は殺してなんかいないわ! 元々死んでいたの!死んでいたのよ! だからお人形にしたんだから!」
エルアーノはグレンアーグを見る。
「グレンアーグ! グレンアーグ! どうしたんだ!? グレンアーグ!」
グレンアーグは顔色が悪いルパートに顔を向けた。
顔色の悪いルパートは首を振る。
「化け物だ……化け物だ!」
「俺はルパートに殺された」
「化け物の言い分を信じるな! あいつは化け物だ!」
ムイフレスたちはルパートを見る。エルアーノはルパートに顔を向けた。
「ルパート……本当なのか? お前がグレンアーグを殺したのか?」
「嘘だ! 信じるな!」
ルパートはムイフレスに顔を向けた。
「信じてくれますよね? 化け物よりも、俺のことを、信じてくれますよね?」
「それは調査する」
ムイフレスが答える。ルパートは顔を歪める。
「うわああああー!!」




