第27話
「冒険者ギルドで禁止されている擦り付ける行為。訴えもいいんだぞ?」
ガルムは言葉に詰まる。
「何か騒がしいですねぇ」
現れたのは耳が長くすらりとした美しい男性。長い緑色の髪を三つ編みにしている。
ガルムはひどく嫌そうな顔をする。
「おやおや野蛮人が何しにきたのでしょう」
耳が長い美しい男性は、ムイフレスに抱き抱えられているトトトゥーナににこりと笑う。
「これはこれは隊長様の半身様。お初めにお目にかかります。私エドモント・ルッピリと申します。どうぞお見知り置きを」
「ボクはトトトゥーナなの」
エドモントはひどく嫌そうな顔をしているガルムを見る。
「そこの野蛮人。商人ギルドに何かご用ですか? ないのなら洞窟にお帰りなさい」
「洞窟じゃねーし」
エドモントが苦手なのか、ガルムは舌打ちすると立ち去っていく。
エドモントは鼻を鳴らし、ムイフレスに目を向ける。
「隊長様。異分子のギムガントンの討伐お疲れ様でした」
頭を下げる。見ていたリタもムイフレスに頭を下げた。
「ですが!」
勢いよく頭を上げたエドモントはムイフレスに訴える。
「異分子であるギムガントンがいなくなり、生態系が崩れたのではないかと心配なのです」
「つまり、ギムガントンがボスだった場合、別のボスの出現による縄張り争いか?」
「まさにその通りです。我々商人ギルドは、行商にも力を入れています。安心して商売をしてもらいたいんです。分かってもらえましたか?」
「生態系に関して我々も気にしている所だ。だがまだそう言った報告は届いていない」
だが、ムイフレスは考える。
「新人二人にとって訓練になるか?」
口ごもり、エドモントに顔を向けた。
「分かった。周囲の見守りをしよう」
エドモントは恭しくお辞儀をするのだった。
森との境界線の集合に、新人二人が遅れて集まった。
ぺこぺこ頭を下げる二人に、エルアーノはキレた。
「二人共たるんでいる!」
「まあエルアーノ。珍しく急に集合だから、そう怒ることないよ」
「ユーファレッシーノ! それでもお前は副隊長か!?」
「一応そうだけど」
「副隊長の自覚が足りてない!」
グレンアーグがエルアーノを宥める。エルアーノは鼻を鳴らす。
そのやり取りをムイフレスは興味なさげに見ている。
「怒らないの?」
隊長として、とトトトゥーナがムイフレスに尋ねる。ムイフレスはそうだな、と答える。
「エルアーノが叱るからな。俺の出る幕はない」
そう言うが、部下が時間通りに集合しようがしまいが、興味がなさそうだった。




