第24話
「誰なの? 教えてほしいの」
「こいつの妹だ」
トトトゥーナはキリーベルを見る。
「そうなのよ。ソフィアってアタシの妹なのよ」
「ソフィアってどんな人なの?」
キリーベルはそうね、と考え込む。
「世界は自分を中心に回っていると思い込んでいる、みたいな?」
トトトゥーナは眉を寄せた。
「一番関わりたくないの」
「それはアタシもよ。アタシが女の子の格好をしていて、可愛い物が好きってだけで、アタシのこと見下すんですもの。酷いと思わない?」
トトトゥーナは改めてキリーベルを見る。
喉仏がなければ完全に女性に見える。見えなくてもそれはトトトゥーナがどうこう言うべきではない。
「ソフィアは、ムイのこと、好き、なの?」
「番のこと分からない人族のクセに、番だと言い触らしてるわ」
「そう、なの」
沈む心をムイフレスが鼻で笑うことで浮上する。
「興味がない」
「ムイ……」
「どうした? ああ、心配しなくていい。よくアフタヌーンティーに誘われたが、一度も参加しなかったからな」
「一度も?」
ムイフレスはトトトゥーナの額にキスをする。
「あの女は番じゃなかったからな。付き合う義理も謂れもないからな」
突然騒がしくなった。
トトトゥーナは首をひねり、ムイフレスとキリーベルは嫌な顔をする。
「まさかきたのか?」
トトトゥーナを抱き抱えながらムイフレスはキリーベルを見る。
「アタシは同性だから通れたけど、ソフィアは止められたのかもしれないわね」
隊員がやってきな。
ムイフレスに敬礼すると、困った顔で言う。
「隊長殿の自称番が暴れています。きて頂けますか?」
「牢屋にでもぶち込んでおけ」
「相手は辺境伯家のご令嬢ですので、難しいです。騎士団の予算を辺境伯家当主様が半分出してますし、そのご令嬢に荒いことはできません」
「知らん」
隊員はトトトゥーナを見た。説得してほしそうな顔をする。
ムイフレスは隊員がトトトゥーナに目線を向けていることに気にいらなそうに翼で隠した。
「ムイフレス!!」
声がした。
隊員が引き止めているのを強引にやってくる令嬢がいた。
どことなく、キリーベルと似ている。
ムイフレスは嫌そうな顔をするのだった。




