第15話
厨房が騒がしいことに、通りかかったグレンアーグは不思議そうな顔をする。
厨房を覗くと、料理人たちが一心不乱に野菜を食べていた。
「どうした?」
声をかけてきたエルアーノにグレンアーグは顔を向ける。ムイフレスに抱き抱えられているトトトゥーナはプリンを食べていた。
「こっちが聞きたーいね。どうしーたーの?」
同僚が一心不乱に野菜を食べていることに苦笑いしながら、料理人は説明する。
「マヨネーズというソースを番殿が我々料理人たちに教えたのです。それが旨いんです」
「マヨネーズ?」
こちらです、と料理人がグレンアーグに小皿を差し出す。それには卵黄色 のソースが乗っている。
「確かおーまえは、マルクルだったーね」
「私の名前御存じでしたか」
グレンアーグは小皿を受け取り、ソースを小指に付けて舐めた。目を見開き、また小指にソースを付けて舐める。
「おいしーいーね」
「どうしたんだ?」
ルパートが新人二人を連れて厨房に顔を出してきた。グレンアーグは一瞬凍てついた眼差しでルパートを見るが、すぐに飄々とした不思議になる。
「ルパートたちもきたんだーね」
ルパートは凍てついた眼差しを向けてきたことには何も言わず、頷く。
「何がどうしたんですか?」
レオンが尋ねると、グレンアーグは自身が持っていた小皿を差し出す。
「舐めてみーてよ」
「え、あ、はい」
レオンは小皿を受け取り、人差し指でマヨネーズを付けると口に運んだ。目を見開くレオンは、ルパートに小皿を押しつける。
「先輩も舐めてみて下さい! 旨いすよ!」
ルパートは小皿を受け取り、ロズも人差し指でマヨネーズを付けて口に運んだ。二人は目を見開き、またマヨネーズを指に付けて口に運ぶのだった。




