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第136話
「廃王太子は助けられなかったの」
トトトゥーナがそう言うと、ハロルドはそうだな、と言い、だが、と言う。
「断種刑にする前に連れてかれたようでな。外で種を撒くのを防げば、陛下は文句を言うことはないないだろう。父親としては別だろうけどね」
「あのう。隊長」
花柄の瞳をしたヤーファがムイフレスに声をかけてきた。
その後ろには邪神教の信者たちがいる。
「何だ?」
「えっと。よく分からないんですけど、この人たちに新しい教皇だと言われまして、離れないんですよ」
ムイフレスたちはヤーファの花柄の瞳を見た。驚く中でムイフレスは興味がなさそうである。
「なら教皇になればいい」
「ええ! そんな、他人事だと思って!」
遠くにリデルエルエーゼとグレンアーグがいた。
「友達に声をかけなくていいのかい? リディも魔獣が街に入らないように戦ったのに」
「いいのよ。わざわざ言わなくても。さあ、帰りましょう。私のお人形さん」
木の上でムイフレスとトトトゥーナは満月を見上げていた。
「ムイ。ボクの力がいつか戻ったら、ムイを半神にしてもいい?」
「ああ。その上で魂の儀式をしよう。愛しているよ。トトトゥーナ」
「ボクも愛しているよ。ムイフレス」
二人は寄り添い、満月を見上げるのだった。




