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第132話

森を背後にデュークは整列する隊員たちを見る。

「負傷した墓守から報告だ。“不滅の王”の墓が掘り返されたと。そして“恋人”がオークションにかけられていたのを竜王陛下が見つけになったようだ。それは“恋人”の可能性が高く、墓守を襲撃した者はすでに捕らえている。オークションにかけられているものが“恋人”か調べている間にスタンピードが起きた。おそらく“不滅の王”が目覚めて“恋人”を探しているのだろう。我々は魔獣を街に行かせないことが使命である」

暗い顔をする隊員たちに、デュークは続ける。

「悲観はするな! 多くの魔獣を我々竜人族が薙ぎ倒す! お前たちはこぼれた魔獣を狩ればいいのだ!」

それならと明るい顔をする隊員たち。

デュークは体か盛り上がり、美しい竜になる。

角が額にあり、頭部に三本の角がある。

咆哮を上げ、迫りくる魔獣の群れに、光線を放した。

爆発し、爆風が隊員たちを襲う。

魔獣の群れの背後に、それは存在していた。

闇だ。人の形をした闇が周囲の魔獣を死へ至らしめていた。

迫りくる魔獣が減ったことに、隊員たちは雄叫びを上げ、武器を手に取る。


森の奥で廃王太子が邪神教の生贄になっていた。

それを見る初老になりかけた教皇。その目は花柄だった。

信者たちは平伏している。

「多くの生贄が邪神様の糧となっているでしょう」

「このときを待っていたぞ!」

そこにトーマが現れた。

信者たちが教皇を守ろうとする。トーマは魔方陣を構築し、剣を握りしめた。

「私がいた里を襲撃したのは人族だが、裏で操っていたのは邪神教だった!!」

教皇はにこやかに笑う。

「そう思いたいのでしょう。あなたの一族は人族にとって喉から手が出るほど、羽と虹色の瞳は人気ですからね」

教皇の前に守るように立つ信者たちに、トーマの髪の毛が羽に変わっていく。

「どけっ!」

信者たちを吹き飛ばし、教皇を切りつけた。

するとトーマ自身も肉が裂けた。

顔を歪めるトーマに、教皇はにこやかに笑う。

「私を殺そうとすれば、魔具が発動し、攻撃がそっくり返されるぞ」

トーマは躊躇することなく、教皇の胸に剣を突き刺した。

トーマの胸の肉が裂ける。

剣を引き抜き、高笑い血を吐く。

胸を押さえる教皇は信じられないという顔でトーマを見て、崩れ落ちた。

信者たちが悲鳴を上げる。

トーマは倒れる。瞳が虹色に変わっていく中で、恋人の笑みを見る。

トーマはフッと笑う。

「シャリーナ……」

森の奥に辿り着いたムイフレスたちは、倒れている教王とトーマを見つける。

「兄様!!」

ニヴェスは叫び、倒れているトーマに駆け寄る。

虹色の瞳になっている姿に、ニヴェスは泣き叫んだ。

ギットレイドがニヴェスに歩み寄り、抱き寄せる。ニヴェスはギットレイドの胸元で泣き叫ぶ。

信者たちは途方に暮れている。

トトトゥーナは、魔方陣の上に寝かされている廃王太子を見る。

「助けないとなの」

ムイフレスに下ろしてもらえるように頼み、下ろしてもらう。

「待て!」

ムイフレスがトトトゥーナを抱き寄せた瞬間。廃王太子の体が崩れ去り、崩れ去ったものが人の形になり、それは少女と変わったのだった。

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