第130話
「今すぐに墓守に連絡を取らなければっ」
「まあ、落ち着きたまえ」
「“恋人”なんだぞ!」
そう言い放つカーターだが、ハアシュカの王族としての覇気に落ち着いて座り直した。
ハアシュカは、髑髏をテーブルの上に置いた。
「どうやら知っているようだね。“不滅の王”の“恋人”のことを」
「一度墓荒しで掘り返されたことがあった。死を振り撒き多くの人が死んだ。時の墓守が死を覚悟して髑髏を“不滅の王”に返した。時の墓守はそのときに死んだ」
頭を抱えたカーターに、ハアシュカは言う。
「これは本物たと?」
目線を上げたカーターは、髑髏を見る。
「偽物ならどうなにいいか。“恋人”を何処で?」
「オークションにかけられていたのを、竜王陛下が見つけたのだ」
カーターは言葉を失う。
ムイフレスは不思議そうにしているトトトゥーナの頬にキスをする。
「祟り神だ」
そう言うムイフレスは興味がなさそうであり、驚くトトトゥーナは髑髏を見る。
「これが“祟り神”なの?」
「違う。それは“不滅の王”の“恋人”で、“不滅の王”が“祟り神”なんだ」
「なら“不滅の王”が起きる前に返さないといけないの」
「それはそう簡単にいかないんだよ。“不滅の王”は“祟り神”で、近づいただけでも死を招く。返そうと近づければ、死んでしまう。そうだね? カーター?」
「時の墓守が死を覚悟して返したのです。また墓守にそうしろと言うのは、酷があります」
「ボクは……」
邪神だから平気かもしれない。そう言おうとしたが、ムイフレスが口元を手で塞いだ。
その様子をエルアーノは見ていたが、トトトゥーナが邪神であることを伝えることはしなかった。
「誰です? オークションに出したのは?」
頭が痛そうにカーターが尋ねる。
「それは──」
アネモネが泣き出した。
アクセルはアネモネを宥める。
カーターは頭を抱えるのだった。




