↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

129/138

第128話

コゼットに紅茶を頼み、応接室に案内する。

ソファーにハアシュカが座り、マージョリーは膝の上に座る。ムイフレスたちは後ろに立つ。

エルアーノはアクセルが裾を掴んで離さなかったので、アクセルを引き連れて応接室に入った。

相変わらずアネモネを背負っている。

「すみません。椅子必要ですか?」

ハアシュカはムイフレスたちを見る。トトトゥーナとクージュはムイフレスとハロルドに抱き抱えられている。

「椅子必要かね?」

ムイフレスとハロルドは首を振り、ギットレイドとエルアーノも首を振った。

「その者がエルアーノの番だね。記憶は戻らないのかね?」

ハアシュカの指摘にエルアーノはアクセルを庇うように背中に隠す。

「一度森に飲み込まれたんだ。そう記憶が戻るとは思えない」

リデルエルエーゼの癒しの歌で一時期に記憶が戻ったことは言わない。

「そう。彼は森に飲み込まれたんだ!」

ハロルドは興奮したように声を荒げた。

「あの森には意思がある! 戦争をしようとした国が森に飲み込まれたのは、森には意思があるからだら!」

クージュがハロルドを落ち着かせようとするが、アクセルに興味津々だ。

「彼を許してあげて。あの森の“ゼロハク”の研究をしているの」

「何をしてどうやって“ゼロハク”から帰還したんだ!?」

ここでトトトゥーナのおまじないだと言えば、面倒なことになりそうだ。それを分かってか、エルアーノは口を閉ざした。

クージュはハロルドの頬を叩いた。それでもまだ言おうとするハロルドの頬をまた叩く。

「いい加減にしなさい! それだから人から嫌われているのよ」

初耳だと、ハロルドは狼狽える。

「え? 私嫌われているの? え? 冗談だよね?」

クージュはかわいそうな目でハロルドを見る。

「自覚がなかったのね」

ハロルドはムイフレスを見た。

「兄弟。私嫌われているの? え? 本当に?」

「自覚がなかったんだな」

「え? 本当に? え? 本当に?」

ムイフレスは何でもないかのように言う。

「俺以外に親しい奴がいるか?」

「いやいない。でも兄弟も私以外に親しい者なんていないでしょう?」

「いやいるが」

「いるのかよ! え!? 本当に?」

トトトゥーナはそれに首をひねる。

「誰なの?」

「宝石工房の親方のドルト」

トトトゥーナは目を丸くする。

「仲よかったの?」

「まあな。トゥに出会う前はよく酒を交わしていたな」

それを聞いてトトトゥーナは眉を下げた。

「ボク。邪魔?」

「そんなことはない。あいつも恋人を見つけたようでな。よく恋人と飲んでいるようだ」

トトトゥーナはホッとするのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。