↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

125/138

第124話

隊員たちは総隊長であるデュークに敬礼する。

ギットレイドとエルアーノも素早く敬礼し、ムイフレスも面倒臭そうに敬礼した。

「何故、隊員たちがここまでボロボロになっているんだ?」

隊員たちは一斉に一歩後ろに下がった。隊員たちより前に出ている形になったムイフレスに、デュークは目を向ける。ギットレイドもエルアーノも一歩後ろに下がっていた。

「マージョリーを怒らせて、だから気が済ませようと集団訓練を行った。倒れれば回復役によって回復させ戦いに戻すやり方でな」

デュークは深い溜息をついて、隊員たちを見回した。

「外見で馬鹿にしたのだろう。誰だ馬鹿にしたのは? 前に出ろ」

数人が前に押し出された。

デュークは深い溜息をつく。

「後で私の執務室にきなさい」

数人の隊員たちは顔を青ざめる。

「それで。妖精竜殿は気が済んだだろうか?」

「一人だけ成長が楽しみな者がいたであります」

一人だけという言葉に、見込まれたことに喜べばいいのか、一人しかいないことに落胆すればいいのか、デュークは複雑そうな顔つきになった。

「それで誰ですかな?」

「それは……」

マージョリーはそこで名前を知らないことに気がついた。

ボロボロになっている隊員たちを見回して、指を指す。

「あの隊員であります」

デュークはその隊員を見て、目を丸くするヤーファに前に出るように声をかけた。

前に出たヤーファに、マージョリーは頷く。

「その者であります。名前は何というのでありますか?」

ヤーファは背筋を伸ばした。

「私はヤーファ・ソーニであります」

デュークはマージョリーを見る。

「この者は最近騎士になった見習いだ。この者が目を見張るものがあったのか?」

「この者次第であります」

デュークはヤーファを見る。

ヤーファの履歴には目を通していた。五回も連続で入団テストに落ちていた。

面接試験で騎士になりたいと熱い思いを語り、それは見栄を張りたいというものではなく、人々や国を守りたいという強い忠誠心によるものだった。

たとえ死んでこいと命令されたとしても、命令に従うだろう。

それを高く評価され、ヤーファは入団テストに合格したのだ。

今まで合格しなかったのは、今まで実技だけで決められ、ヤーファは基準に満たなかったのである。

「聞いたか?」

デュークが問いかければ、ヤーファは背筋を伸ばす。

「はっ」

「慢心することなく、これからも励めよ」

ヤーファは感極まって泣いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。