第121話
ノックされる。
ムイフレスが入る許可を出すと、ボロボロになっている隊員が入ってきた。
ムイフレスに敬礼する。
「申し訳ありませんが、訓練場まで足を運んでもらえないでしょうか?」
「理由は?」
「妖精竜が暴れているからであります」
ムイフレスは眉を寄せ、ハロルドは苦笑いし、クージュは呆れた。
ムイフレスはボロボロになっている隊員に聞く。
「何故暴れているんだ?」
「はっ。模擬戦を断わったからであります」
「何故それで暴れているんだ?」
「それは……」
「さっさと言え!」
「馬鹿にしたからであります!」
ムイフレスは深い溜息をついた。
「ギットレイドは?」
「すでに説得してもらっておりますが、効果がありません」
「彼女は集団で倒す魔獣を一人で討伐できる力を保持している。外見で馬鹿にするなど、愚の骨頂だ」
「申し訳ありません」
「まあいい。集団訓練だ。お前は班の回復役に連絡し、片っ端から彼女に倒された者を回復させ、戦闘に戻せと伝えろ」
ボロボロになっている隊員は敬礼が遅れたが、ムイフレスに睨まれて、慌てて敬礼した。
ボロボロになっている隊員は出ていく。
ムイフレスは深い溜息をつく。
「彼女は何故いるんだ?」
「そりゃーギットレイド様に番ができたからだ」
「ハアシュカもきているのか?」
「もちろん」
深い溜息をつくムイフレスに、トトトゥーナは首をひねり、説明を求めた。
ムイフレスはトトトゥーナの額にキスをする。
「ハアシュカは、ギットレイドの父君で、暴れているのが妖精竜の母君でマージョリーという」
「婿になった王族だっけなの?」
「そうだ」
ムイフレスは深い溜息をついて、ハロルドに目をやる。
「お前もこい。兄弟」
ハロルドはだらんと下がっている右腕を叩いた。
「今の私ではマージョリーを止められないがな」




