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第120話

「それにしても悪かったな。本当は一人で兄弟に会いにいこうかと思ったんだけどな、クーがどうしてもついてくると聞かなくて」

頬をポリポリと掻くハロルドに、クージュは目を落とす。

まるでクージュの我が儘を責めているように聞こえる。

落ち込むクージュに対してムイフレスはフォローをしないので、トトトゥーナが代わりに言うことにした。

「番なのだから、離れたくないの」

「生憎私は生まれながら番が分かる直感力が欠けていてね。クーを番だと認識できないんだよ」

トトトゥーナは思わずムイフレスを見た。

「ムイ。知っていたの?」

ムイフレスは驚いているようだった。知らなかったのが窺える。

「兄弟。比翼失調症だったのか」

トトトゥーナが詳しく聞くと、アハハと笑ったハロルドが詳しく説明した。

「番を見つけるための、本能的な直感器官、魂の波長を感じる心が、生まれつき、機能していない状態なんだわ。クーが私を番だと言い出す前まで、自分が比翼失調症だとは知らなんだ。番主義者なのにね」

悲しげに笑った。

クージュはそっとハロルドの手を掴む。

ハロルドは優しげな眼差しで、気にしないでという顔をするクージュを見た。

そんな二人を見て、トトトゥーナは二人の仲は大丈夫そうだなと思うのだった。

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