第114話
意識が浮上し、トトトゥーナは瞼を開けた。
体を起こし、ベッドから立ち上がると、ふと壁にかかっている鏡に目がいった。
そこに映ったのは、十二歳ぐらいの姿だった。
「ムイは? ムイは何処?」
ドアが開き、ムイフレスが入ってきた。
トトトゥーナは名前を呼び、抱きついた。
ムイフレスはトトトゥーナを抱き締め返す。
「何処に行ってたの?」
「レオンの結婚式だ」
「えっ!? ボク。どのぐらい眠ってたの?」
「二ヶ月だ」
「え゛っ!? ボクそんなに眠ってたの!?」
「本当ならトゥの側にいたかったんだが、トゥなら参加するべきだと言うだろうと思ってな」
トトトゥーナはその通りだと頷く。
「結婚式終わったの? 我が儘嬢大丈夫だったの!? ボクがいなくて相手を探していると思われなかったの!?」
「声をかけられたが、無視した。それに我が儘嬢は最後に抱きしめてほしいと抜かしたからな。飛ばしてやった。今頃あの女を探している所だろう」
大事になっていた。
トトトゥーナは慌てたが、ムイフレスが震えていることに気がつく。
「ムイ?」
「二ヶ月だ。二ヶ月目が覚めなかった。このまま目覚めないかと……よかった」
「ムイ。心配かけてごめんなさいなの」
「いいんだ」
「ボク。ちょっと力が戻ったみたいなの」
「そのようだな」
ムイフレスはそれでも軽々とトトトゥーナを抱き抱えた。
「誰かが服を着替えさせたの? 大きくなったのに、服がその分大きいサイズになってるの」
「ああ。トゥがいつ大きくなってもいいように、身につけているものに魔方陣が刻まれているんだ」
「じゃあこのまま大きくなっても服が破れてラッキースケベにならないの?」
「そんな心配はしなくていい」
「ラッキースケベは男のロマンしまゃないの?」
「恥ずかしい思いはさせたくない」
トトトゥーナは思わずムイフレスの頬にキスをした。
ムイフレスはトトトゥーナの顔中にキスをする。トトトゥーナは擽ったそうに笑う。
ノックされドアが開く。
「フレス。我が儘嬢見つかったぞ」
正装をしているギットレイドが入ってきて、ムイフレスに抱き抱えられたトトトゥーナに目を丸くするのだった。




