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第103話
ノックする。
ドアが開き、怖ず怖ずと少女が顔を出した。
「な、何でしょうか?」
怯えながら尋ねる少女は、ムイフレスに抱き抱えられているトトトゥーナを見た。
「番……」
呟く少女は自分の番を思い出す。
よく分からないうちに紹介され、いきなり抱きしめられた。
悲鳴を上げ気絶して目が覚めると、番はいなくなっていた。
「あなたルーリー?」
「はい……そうですけど」
ルーリーはビクビクと怯え、ムイフレスが黒い子猫を差し出す。
思わず受け取ったルーリーは、子猫をひっくり返した。
「男の子」
「ミュウ」
子猫は恥ずかしそうに前足で顔を隠した。
「この子は?」
「ルーリーを守ってくれるの」
ルーリーは子猫を見て、トトトゥーナを見た。
「名前は?」
「ルーリーが決めていいの。ルーリーの子猫なの」
「ロズ」
「ミュウ」
「この子、ロズにします」
それは、とトトトゥーナは言おうとして、やめた。
「とってもいい名前なの」
そう褒めると、ルーリーはそこで初めて、花が咲いたように笑った。




