第100話
「ボクは女神だったの。でも恋人に裏切られて邪神になったの。上位の神が暴走するボクを止めて、この世界に送ったの。ボクがこの姿なのは、ほとんどの力が眠っているからなの」
「この世界に送られて、魔鳥に拐われたのか?」
最初の出会いを思い出すように、エルアーノは質問する。
ギットレイドたちは放心している。
「魔鳥に拐われてないの。この世界に送られたのが、大空だったの。それで竜になっているムイと出会ったの。最初食べられるかと思ったの」
「なるほど。道理で魔鳥の気配がなかった訳だ。それにしても、送られた場所によくベルベルトがいたものだ。いや、ベルベルトがいたから送られたのか。神しか知らぬことだな」
「大空はカリー様の適当さだと思うの」
「カリー様とは?」
「ボクをこの世界に送った上位の神なの」
「まさか、キュアトリー様の伴侶様か!?」
身の上話よりも驚く反応に、トトトゥーナはそのことに驚きながらも頷く。
「聖女様であります!」
エリュシアが勢いよくソファーから立ち上がる。
「キュアトリー様とその伴侶様と面識があるなんて、聖女様であります!」
「ボクは邪神なの」
興奮するエリュシアをキリーベルが宥めて座らせる。
「番殿。この世界ではほとんどの者がキュアトリー教の信者であるんだ。だからキュアトリー様とその伴侶様と面識があると言えば、聖女だと思われてしまいかねないんだ」
「妖精の祝福でなるのではないの?」
「そもそも何故妖精の祝福で聖女になるかと言えば、キュアトリー様のお声を聞けるからだ」
「言ったもん勝ちにならないの?」
「まあ、なるな。だがらキュアトリー様が聖獣を遣わすと言われている」
「ああ聖獣ね。偽物が現れる度にキュアトリー様か降臨して訂正するの面倒だからって聖獣に変わったの」
「そんな理由が」
エルアーノは驚き、エリュシアが勢いよく立ち上がる。
「この世界をキュアトリー様が見ていらっしゃっているのでありますか!?」




