↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/138

第9話

「ギットレイドは冒険者ギルドに行き、ギルドマスターにギムガントンの討伐の報告をしろ」

「ギムガントンの亡骸は?」

「異分子は騎士団が解剖し調べることになっているとでも言え。ギルドにギムガントンの亡骸を預けると、解体され戻ってこないからな」

苦い顔でムイフレスは言う。ギットレイドも苦い顔になる。

それをやらかしたレオンは何でもない顔をしているが、頭の上にある耳が伏せっている。

ギットレイドと別れて、ムイフレスたちは騎士団の駐屯地に向かうのだった。


ドアをノックする。

「入れ」

ムイフレスたちは総隊長の執務室に入る。

美しい顔をしているが、顔に似合わない目の下に隈ができていた。

「報告しろ」

「報告する。危険種と認定されたギムガントンは異分子であり、それを討伐した」

「そうか。よくやった。亡骸は?」

「亜空間の中に」

「そうか。後で調査団へ回せ」

総隊長は抱き抱えているトトトゥーナに目をやり、すぐにムイフレスに目線を戻した。

「番か?」

翼でトトトゥーナを隠すムイフレスに、総隊長は笑った。

「おめでとう。幸せだろう?」

「ああ。あなたの番も最近見つかったと聞いたが」

「私の番はまだ乳飲み子でな。夜中は三時間ごとに泣き出すんだ」

「今は母親が?」

「ああ。周りが母親は必要だと言うものでな。ムイフレス。ムイフレスの番に自己紹介してもよいか?」

渋々しく頷くムイフレスに、総隊長はトトトゥーナに笑いかけた。

「初めましてだなムイフレスの。私は異種混種族騎士団総隊長を務める、デューク・ジェローバだ」

「トトトゥーナなの」

「そうか。名前は呼ばないと思うが、覚えておこう」

さて、とデュークはムイフレスを見る。

「ムイフレス。お前はまだ番が見つかったと報告はしていない。報告をせずここまで連れてくるのは禁止されている。それと門は通れ。門番が騒いでいたぞ」

「竜人は番に関して自由が認められている。門に関して竜人だけではない」

「番と引き換えに我々は竜化することを禁止されている。沢山の禁止を受けての我々の見返りは、番を探せることだ。私も本来ならば入れなかっただろう、公爵家に入り母親と一緒に物置き部屋にいる番を見つけ出せた。本来ならばこの国に未練はないが、番の故郷だ。番に決めさせてやりたい」

竜化と聞いて、トトトゥーナはムイフレスを見上げて眉を下げる。ムイフレスはトトトゥーナの視線に気がつき、額にキスをする。

「竜化しちゃったら?」

デュークは眉を下げて心配そうな顔をするトトトゥーナに優しく笑う。

「大丈夫だ。ただ始末書を書くだけだから」

何でもないかのように言うのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。