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イニシエ  作者: 紡ぎ舞う者
第一章 学校編
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15話 仲間

開幕式が始まり、ガイアスさんをはじめ様々な方の話を聞くアデル。それを遠くの誰かに見られていた。


「俺の名前はクロウだ!よろしくな!」黒髪短髪の黒い瞳の少年がでかい声でそう名乗り、騒がしいやつだなと僕は思った。赤い制服に両腕には黒鉄製のアームを備えていた。

「レオだ。よろしく頼む。」爽やかな声の金髪に青色の瞳と緑の制服を着た少年。その背中には自分の身長と同じくらいの白木製の弓を背負っていた。本体は白く、それをぐるぐると螺旋状に金と水色の線が絡まった独特なデザインとなっている。

「ピト…です。よろしくお願い…します。」かすれた声をし、フードを深く被っている黒い制服の少年は少し恥ずかしがっているように見えた。髪と目はフードで覆われているため分からなかったが腰には2つのナイフが皮ベルトに納められている。

「ベルゼンと申します。よろしくみんな。」

ガイアスさんのような大男で野太い声も似ていた。金髪に薄い青色の瞳。全身を鎧で覆い、背中には自身と同じくらいの盾を背負っていた。

「ロキ…よろしく。」静かな声で喋る少女はどこか不思議なオーラを出していた。赤紫の長髪にキリッとした茶色い目。黄色の制服で背中には白金でできた草の装飾が施されたガンティルを一丁と腰には黒鉄ナイフが備わっている。

「ロキってあのガンティル名家の?」

「そうよ。そこの一番下の娘。でしょミルティ?」僕の問いにリーアが答えた。貴族の知り合いといったところだろう。仲は…ロキの睨んだ目を見て察した。

「リーア、あなたはいつもそうね。」姿勢を整え、再度お辞儀をした。

「改めてミルティアーノ・ロキと申します。以後お見知りおきを。名前で呼ばれるのは好まないから家名でよんで頂戴。」こう見ると所作の一つ一つが丁寧で、貴族の育ちだと分かる。見た目もバレッサ先生に似ているからだろう。各々が自己紹介が終わったところでリーダーを決めようとしたのだが、

「リーダーは絶対に俺だ!」

「いや絶対にトウヤだね。」

早速喧嘩になってしまった。

「わっ…私はリーア…さんがいいと思います。」

「僕も指揮をするならリーアが適任だと考える。」シーラとレオはリーアを推薦した。

「僕は…ベルゼンさんあなたがいい…です。」

「私はトウヤがいいと思うわ。」ピトはベルゼンを、ロキはトウヤを推薦した。

「まぁどちらにせよ本人達のやる気次第でしょ。お三方いかがかな?」レオの言葉にクロウは首をかしげた。

「ちょっと待てよ。俺、リーア、トウヤ、ベルゼンで4人だろ?」するとレオはきっぱりと言葉を放った。

「お前は含まれてねーよ。」その言葉にクロウは顔を真っ赤にした。

「あぁ!?ふざけんなてめぇ!」クロウはまっすぐ歩み寄り、それをレオは片手で止めた。その時ベルゼンが手を上げた。

「俺は指揮には向かないよ。守ることが俺の役目だからね。ピト悪いな、リーダーは引き受けられねぇ。」そう言うとトウヤに近づき、肩に手を置いた。

「俺はトウヤを指名する。リーアもフリッグ家の人間で指揮にも優れているだろうが、前衛に立つやつが指揮までやるなんて負担がでかすぎる。」確かにベルゼンの言う通りだが、それを難なくこなすのがフリッグ家だ。「ベルゼンさんがトウヤさんを選ぶなら…僕もトウヤさんにします。」ピトとベルゼンはトウヤを推薦した。

「少しいいか?僕とリーア、二人でリーダーにしたらどうだろう?」トウヤの突然の提案に一同は困惑し、クロウも怒りが冷めた。

「つまりだ。なんらかの理由で僕が指揮が出来なくなった場合、リーアに役職を引き継いでもらうんだ。立場的には副リーダーみたいなかんじかな。」その言葉にリーアは頷き、一同は同意した。クロウを除いて。

「いい発想だと思うわ。それに私も少し不安だったから。二人体制はとてもありがたい。

」こうしてお互いに作戦を練り、ついに合同演習が開始され1万人近くの生徒が一斉に飛び出すのだった。


 その頃統括局合同演習本部では各局長の他にガイアス率いる近衛の精鋭と原点者とその側付きが集まっていた。

「予定どおり開始されましたな。グンダス殿周辺に脅威になりそうな亜種族や魔族はいないかね?」後ろの方でみんなとは逆向きに立ち、足元には刻印された陣が光っていた。

「問題は無いですね。魔獣の数が視察に来た時より少し多いことくらいです。4000匹くらいかな?」脅威は低いものの、個体差によっては数か多くなれば高等生でも対処出来るか危ぶまれる。

「まぁ今年は平均して優秀だ。それに問題があり次第我々が動けばなんとかなるだろう。」

「油断はいけませんよ。大地が騒いでいます。何かの予兆を感じとっているようです。」原点者の言葉に一同は静まりかえった。

「とはいえじゃ。未だ脅威は確認されとらんことじゃ今のうちに少し肩の力は抜いておこうぞ。」セイゲルはそう言いながらも考えていた。原点者が感じ取れて空間属性のグンダスが感じ取れないものとは何だろうか。妙に引っ掛かる。


 開始からしばらくしてアース族一行は山を一つ抜け次の山の麓の近くまで来ていた。

「このペースのまま行けば予定より早く会場の限界ラインまでいけると思う。」リーアが息を吐きながら言った。

「僕もそう思う。だけど、正面に二匹。魔力の大きさからして4足歩行型。アデル、レオ、ここから見える?

「見えるよ。多分あれは。」

「ダークウルフだな。向こうも気付いたみたいだ。こっちに近づいてくる。」二匹のダークウルフはアースの足音を聞き付けて向かってきた。

「アデル頼んだ。」トウヤの指示に僕は両手を交差させながら答える。

「了解。ベルゼン盾構えといてね。」

「おう、任せろ。」

草が揺れ、そこからダークウルフが飛び出してきた。

「手印法第4束縛」二匹の胴体に鎖が絡まり、動きを封じた。

「リーア!」僕が叫ぶと同時にリーアは素早く飛び、二匹の頭を剣で突いた。

「ピト回収よろしく。みんなはその間周囲を警戒して。」ピトはナイフを抜き、牙の辺りを切り始めた。

「また来る。今度は右から七匹。さっきの奴らの群れかな。ベルゼンは前へ。レオ、ロキ、シーラはその後へ。アデル、今回は剣で応戦してリーアと挟み撃ち。クロウは正面からうち漏らしたやつを叩くよ。」足音が近づいてくる。みんなは体制を整え、ベルゼンは盾を構えた。ダークウルフが見えたその瞬間。

「放て!」トウヤの号令でレオとロキ、シーラはそれぞれ攻撃をした。攻撃は見事三匹を撃ち抜き、残りは散り散りに向かってきた。リーアとアデルは回りのみそれぞれ一体ずつ撃し、正面から来た二体の攻撃をベルゼンは防いだ。すかさずクロウは拳で胴体を貫いたが、一体がベルゼンを飛び越えて奥に居るピトに向かっていった。

「ピト!」ベルゼンの言葉に反応し、ピトはナイフを持った手をダークウルフに向けた。

「虚手」瞬時にピトの手が半透明に長く伸び、ナイフがダークウルフの頭部に刺さった。


14話を読んでいただきありがとうございます。

コメントやレビューよろしくお願いします。

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次回16話は「迫り来る魔の手」お楽しみに。

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