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イニシエ  作者: 紡ぎ舞う者
第一章 学校編
14/38

14話 原点者

ディジェクラント王国に到着した。アデルは受付で昔会ったガイアス団長と再開する。

「まもなく合同演習開幕式を行います。」アナウンスを聞いた先生や生徒、職員全員が移動を開始した。

「では行くとするか、アデル。」ファーゼン先生からそう言われて僕は動き出した。広場に着くと沢山の生徒で溢れていた。なんせ7校も集まっているのだ。当然と言えば当然なのだが実際目の当たりにすると壮観だ。およそ1万人が一度に集まり列を成す。僕も遅れないように急ごうと足を早めた。


「全体前へ。」誰の声か分からない指示を聞き分け、ようやく整列が完了した頃アナウンスが流れた。

「これより、開幕式を始めるまず代表からお言葉を。」アナウンスをしている人が降壇し、近衛騎士団長のガイアスさんが登壇した。

「諸君!合同演習のため遥遥遠方から来て下さり感謝する。昨今英雄がこの世を去られてから30年が経つ。魔族が星内に進行し、今や魔獣が我々の大地を跋扈している。引いては、他の星も同じく苦しんでいるかもしれない。この状況を許していいものか!」沈黙が広場に漂う。

「否!私達が育ったこの大地を!空を!奴らに好き勝手させたままでは行かない。そしてそれを果たすために君たちの力を借りたい。この演習で更なる躍進を期待する!」ガイアスさんが右手を振りかざすと生徒全員が右手を振りかざし、雄叫びを上げた。しばらく続いた叫びが終わると、ガイアスは降壇した。

「さて続いては聖女様からの祝福ですが本日は体調が優れないため代理の方が来ています。」登壇して来たのは男で、いかにもな格好をしていた。長く丁寧に女神セルリア様の教えを説いた。

「最後に皆さんで祈りましょう。手を合わせて。」生徒や職員全員が目を閉じ、手を合わせ祈った。

「皆様に女神セルリア様の祝福があらんことを。」そう言い残し、代理の男性は降壇した。

「最後にこの星、土球の原点者であるオリフィア・ハーツ様からお言葉を賜ります。」

原点者。

星に一人しか存在せず、その人が力を継承或いは譲渡を選ばれた人にしないまま死去した場合この星が滅ぶとされている。前例として虚球は魔族に進行された時に、原点者を失った影響で滅んだと言われている。原点者が階段を上り始めた瞬間生徒全員が感じ取った。圧倒的なまでの神聖力から放たれるオーラ。

千里眼を使わなくても強さが分かる。その圧力にその場のほとんどが震えた。登壇し終わった茶色の長い髪に藍色の瞳、振り袖が長く白い肌の女性は辺りを見渡し口を開いた。

「今年は粒揃いですね。この私を前に怖じ気づくかない人間が生徒に居るとは。」そう言うとオーラをなくした。僕は千里眼を通して見た。大地全体、正確に言えば星全体が彼女の存在を喜んでいる?ように見えた。

「妾の願いはただ一つ、皆が強くなることじゃ。この合同演習で強く成長する事を願っているぞ。」短い言葉を残し、振り袖を払って後ろを向き降壇した。オリフィアは降壇した先に居る自分の側着きに小声で言った。

「後でケストレア王国の先頭付近の男の子について調べて頂戴。」アデルは原点者に目をつけられた事をしるよしもなかった。

「以上にて開会式を終了する各自指定された紙を受け取り、族のメンバーに会いに行くように。裏の刻印に神聖力を注げばメンバーへの道を示してくれる。活用するように。」生徒達は急いで自分の紙を受け取りに行き、渡された紙を見る。

アース族 アデル

裏を見ると繋がりの刻印が施されていた。そこに神聖力を通すと薄紫の線が四方に散らばった。この線は他人には見えず、同じ族だけが識別出来るようになっている。

「なんだアデルか。」後ろから声をかけられた。振り返るとそこにはトウヤが立っており、手に持っている紙に薄紫の線が当たっていた。トウヤが同じ族とはありがたいと心の中で思った。

「さて、他のメンバーにも合流しに行くか。」

トウヤはそう言って線の指す先へ歩いていき、僕もそれについていった。

「げっ」線の先に居る人物を見て、僕は思わず言葉が出た。リーアだからである。

「げっ。とは失礼ですね。」リーアは冷たく返した。その隣には小柄で水色の髪に杖を持った同じ族の方も居た。

「お…御二人とも同じ族みたいですね。は…初めましてシーラと言います。よ…よろしくお願いします。」緊張しているようだ。

「お居た居た、これで全員かな?」右の方から陽気な男とそれに掴まれてる黒服の男、弓を携えた金髪の男と、ガンティルを携えた女の人それらの後ろに見るからにでかい体と盾を携えている大男が歩いてきた。

「9人か中々多いな。」にしても見たことがある制服と思ったらここに居る全員ケストレア王国の人達だ。合同演習では他国と組むようになっているが同じ国同士という異例も無いわけではない。

「レアケースだね。全員同じ国だなんて。」トウヤもボソっと言った。


遠くの山の方、丁度広場が見えるくらいの高さで数人の人影が隠密行動をしていた。

「マーキング準備はできたか。」

「おう、ばっちしよ。」一人は広場の様子を見てもう一人は刻印を地面に施していた。

「ターゲット達は見つかったのか。」

「ちらほらな。でも一人は今日は参加してないらしいぞ。」

「チッ面倒だ。参加すると情報には書いてあったのだがな。」武器を手入れしながら男は答える。

「まぁそいつ以外が集まっているのならそれはそれで向こうの損失もでかかろう。」

「潜入の方はバレてないんだろうな。」

「今の所そういった連絡は来てないぞ。」

「なら作戦続行できそうだな。さぁやつらの息の根を止めてやろうぜ。」男は拳を握った。


14話読んでいただきありがとうございます。

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次回は「仲間」お楽しみに。


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