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2020年3月24日 恩師の日

2020年3月24日


 類まれなる活躍をする彼女ら美少女たちだが、最初から今のように完全無欠な活躍が出来たわけではないのだ。


 そう、彼女たちのうち数名は、師となる人物がいたのである。今回はその当時の歴史に迫っていく。


――――――――――――


「留音(るね)よ……師として、お前に教えることはもう無い」


 その老師、通称・千年白翁斎。精神を植物と一体化させ、大地に根付き、地球のエネルギーを自らの糧とすることで長き日々を過ごしてきた、生ける伝説である。彼は幼少期、壇ノ浦の戦いを目にしたと話し、源側の書物にその幼き時代の名が記されているという。


「強くなった、留音(るね)。私が引くくらいに」


 白翁斎は座禅のまま宙へと浮き、目を瞑りながら静かにそう言った。


留音(るね)「そんな……でも師匠、あたしは師匠からまだ何も教えてもらっていません!! あたしはあなたの持つ白華の呼吸を体得していないのに……まだ今日でここに来て3日目なのに!!」


 本当に何も教えてもらっていなかったのである。白翁斎はどすんとお尻から落下して言った。


「だぁってさぁぁああ!! あんた強いんだもん! 私、1000年よ? 大体1000年くらい修行したの! でも勝てない! なんなの超最強波って! 私が教えてほしいくらい!」


留音(るね)「超最強波は、最強を超えた超最強の波動砲です」


「わかんない! それあったらいらないもんね、白華の呼吸。私が長年かけて生み出した一の型から七の型、それから秘伝の零の型も含めてなんにも意味ないもんね。教わる意味ある? なんで教わりたいと思ったの?」


留音(るね)「中途半端に強そうでかっこいい技を覚えて、誰かと接戦を演じてみたかったからです!」


「不純だよね。動機が不純。そういうのは格闘家として良くないと思う。うん、師匠と読んでくれるならそれだけは言っておくよ。格闘最強を目指すのはいいよ。最強なのもいい。でもそういう心持ちは絶対良くないと思う。勝つ時はビシッと勝つの。勝負の世界で情けは侮辱と同じ。私は今あなたに侮辱されています」


 留音(るね)の中で何かが開眼した。


留音(るね)「勝負の世界で、情けは侮辱と同じ……そうか……じゃああたしはこの超最強波で行けば良いんですね?」


「うん、いいよ。ところでそれどこで覚えたの。おじさんに教えてみなさい。おじさんももうあと2000年くらい修行して使えるようになれればいいなって思うから」


留音(るね)「いえ、自分で編み出しました。超最強になりたかったので、超最強になりたいと思っているうちに超最強の波動を持っていました」


「うん、そう。わかった諦める。お前はそのまま進みなさい、それでいいから」


留音(るね)「師匠……ありがとうございます! あなたの教えを胸に刻んで行きます!!」


「でもあなた。他にも師匠いるの私知ってるからね。ダメだよ不順な動機は」


留音(るね)「はい! でも今控えてる師匠は秘孔と師匠と神秘の師匠なので、そっちからは戦い以外のところで実りがあるので大丈夫です!」


「あぁそう。私が一番役に立たないんだね。1000年生きてたし浮けるんだけどね」


留音(るね)「飛びたいならジャンプしたほうが早いのでは……?」


「そうだね。あなたはそれでいいよね。とにかくもう行きなさい。もう最初に来た時にわかったよ、あなたには敵わんて」


留音(るね)「師匠……ありがとうございました。お世話になりました。最後にお手合わせお願いします!」


「嫌だ! 勝てないから! あなたの超最強波怖いんだもん!」


留音(るね)「でも師匠、あなたを乗り越えたという実感がないと……」


「じゃあ手加減して! お願いだから! 痛くしない程度の超最強波にして!」


留音(るね)「えっ、でも師匠、さっき手加減するようなことは良くないって……」


「……。あっ、ほら、あなたの最高の技は超最強波でしょう?」


留音(るね)「はい!」


「だったらその出力を弱めたり、優しくしたりしてもそれは超最強波であるわけね。あなたは超最強波で戦ったということになるの。つまりどういうことかわかる?」


留音(るね)「超最強波の仕様変更は侮辱にはならない?」


「そうよ! そのとおり。だからやるなら限りなく優しくやって」


留音(るね)「そうか……超最強波を弱めればよかったんだ……さすが師匠! 本当にためになりました!」


「うむ。図らずも本当に師匠になってしまったか。少し自信を取り戻したぞ。これでいいのかという疑問は考えない事にするけど」


留音(るね)「ならば行きます! 超! 最強……!」


「あぁ。可愛い弟子が出来たと思ったのに。未熟者であればよくあるじじいと美少女のハプニングも見込めたというのに……」


 このおじじの方が動機が不純であった。


留音(るね)「波ー!(威力控えめ)」


「あーーれーーー」


留音(るね)「ありがとう師匠……あなたの教えを守ってこれからも超最強波を極めます!」


 こうして留音(るね)の特技である最強の技「超最強波」に数多くのバリエーションが生まれたのである。すなわち弱火仕様やほんのりお醤油味の超最強波などだ。


 この師匠がいなければこれらの超最強波は生まれなかった。だから留音(るね)にとっての恩師の一人はこの白翁斎である。



―――――――――――


 いくちゃん の ししょー。


 いくちゃんが3さいのときのことです。


「さぁみんな! みてごらーん! ここにあるのはなにかわかるかなーっ?」


 いくちゃんが見ているてれびのこえです。いくちゃんはそのこえに答えました。


いく「檸檬」


 てれびのなかの子どもたちは元気よく「れもーん!」や「みかーん!」とこたえています


「そう! れもんだね~! みんなすっぱいれもん、しってるかなーっ?」


 いくちゃんはてれびに向かってうなずきました。てれびのなかの子どもたちもみんな「知ってるー!」とにぎやかです。


「それじゃあねぇ! 今日は~、博士がね、このれもんさんを使って、電気をつけたいと思いまーす! できるかな~!?」


 いくちゃんはけげんそうなおかおになりました。なにをいっているんだろう、このじしょうはかせの人は、と言いたそう。


いく「檸檬なんかで電気がつくわけ……」


 3さいのいくちゃん、じーっとテレビを見つめています。てれびの中にいるはかせは、てぎわよく、"どう"でできたはりがねとはりがねをつないでいって~……。


「はいっ、じゃあはかせ、電球をつなげるよーっ? さぁどうかなどうかな~!」


いく「つくわけないのに……」


 さぁはかせ、れもんと電球をつなげたよー! そうしたら……なんと! ぴかぴかりーん! 電球がついちゃった!


いく「?!!!?」


 いくちゃんはおめめをまんまるに、その電球みたいにぴかぴかりんにして、テレビにくいつくようにみています。


「やったー! じっけん、だいせいこう~! みんなもおうちのれもんがあったら、おうちの人と試して見てね! 電池にしたれもんは食べちゃダメだよぉ~!」


 このテレビが終わるまで、いくちゃんはおめめをぱちぱちしていました。


いく「まさか檸檬が電池になるなんて……うまく運用すれば世界中の電力問題が解決されるんじゃ……こうしちゃいられない! 早速私も試さなきゃ!」


 今では終わってしまった科学番組……そこにいた博士はたしかに小さな子ども探究心に火をつけ、やがてIQ3億に育つ天才衣玖(いく)ちゃんが育つきっかけを作ったのだ。


 これが衣玖(いく)にとっての恩師である。今では俳優を引退してしまったその博士役の人は記憶の中ではしっかりと衣玖(いく)の恩師のままなのだ。最近その博士俳優がネット配信でチャンネルを始めたことが、衣玖(いく)の楽しみの一つになっている。

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― 新着の感想 ―
[一言] 師匠が引くくらい弟子が強くなるのは普通は美談です。 しかし、これはコメディですね。 留音ちゃん。
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