司法局での抗議⑦
「あと、今日私たちが抗議したということを、局長にしっかり報告するんだぞ。分かったな?」ブロッサムは、男にそう問い質した。
「お前らがここに来たことは報告するからな。だが、今日抗議した内容を全て受け入れるとは、決まったわけじゃないぞ。あと、お前らはもう用が済んだんだろ?とっとと帰れ。」男は、そのように吐き捨てると、ブロッサムの胸ぐらを掴んでいた手を放して、そのまま部屋を出ていった。
部屋には、ブロッサムたち3人だけが取り残された形になる。
「やっと、一仕事が終わったようですね。」ケントが安堵の表情を浮かべながら、ブロッサムに言った。
「そのようだな。だが、局長に報告すると男は言ったが、ちゃんと報告するかが気がかりだ。まあ、声明文を読み上げるという務めは果たせたと言えるだろう。」
「司法局に入った時は、胸が高鳴るほどに緊張しました。直接抗議に行ったのは初めてでしたが、声明文の事を局長に報告するところまで、持っていけたのは良かったと思います。」ジョンが横からそう口にする。
言葉を交わしながら3人は、司法局の外に出た。既に時間は夕方になり、日も傾き始めている。
「今日の司法局への抗議は、「臣民のギルド」にとって大きな一歩になった。局長に報告され、犯人が重罪になるかはまだ分からないが、司法局の動きに注視しよう。」ブロッサムの言葉に、2人は頷いた。
それから1週間程経ったある日、司法局は爆発事件の容疑者を、終身刑にする決定を出した。その事を聞き付けたブロッサムは、ギルドの本部にいたジョンとケントの元に知らせに行った。
「司法局が終身刑の決定を下すとは、思いませんでした。先日の抗議が効いたのでしょうね。」ケントが意外そうな目で、ブロッサムに視線を向ける。
「私も、司法局がこの決定を下すとは考えていなかった。抗議の成果が実ったようだな。」ブロッサムは、にこやかな笑みを浮かべる。
「良かったですね。」ジョンがそう口にした。ブロッサムがそれに答える。「うむ。これまで活動を続けて来たのは、アリスのためでもあるんだ。」
「あのお方ですか?」ケントが質問する。ブロッサムは、昔の出来事を思い出していた。




