司法局での抗議⑥
ブロッサムが大声で言った。「私たちは帝国の臣民の代表として、爆発事件への対応の要望でここにやって来たんだ。それを一蹴しようとするとは、帝国の法を預かるものとして、情けないとは思わないのか?」
するとその刹那、男はすぐさま間合いを詰めて、ブロッサムの胸ぐらを激しく掴んだ。そしてこう言い放ったのだ。
「私は嫌な思いしてないから。それに、お前らが嫌な思いをしようが私の知った事ではない。だって全員どうでもいい人間だし。大袈裟だが、お前らが死んでも何とも思わない。それはつまりお前らに対しての情などない!」
これを聞いて、ブロッサムたちはあきれ返るしかなかった。帝国の法を預かるはずの司法局が、爆発事件でこのような対応をするとは。〝司法局は、キロヌカ人の起こした犯罪に対して甘すぎる〟、ジョンは目の前のやり取りを見て、そのように感じたのだった。
「あなたたちの姿勢がよく分かった。あと、司法局の廊下に「外国人犯罪者の人権守れ」と貼り紙があったが、これはどういうことだ?キロヌカ人もその中に入っているだろうな。」ブロッサムは、男を凝視しながら言う。
「当たり前だ。帝国にいるキロヌカ人は、「大戦争」の最中に、悪名高き帝国軍によって連行されて来たことくらい、知らないのか?キロヌカ人が帝国で犯罪を起こそうが、元をたどれば帝国が悪いんだよ。」男は、苦虫を噛み潰した表情で答えた。
「戯れ言を言うんじゃない!それはあまりにも馬鹿げた話だ。ここは帝国だ。帝国の司法局がこんな主張をするのは、間違っている。」男の言葉に、ブロッサムは毅然として反論する。




