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機工少女チルカと時魔導士ハルト~大切な人の死を乗り越えるための、小さな冒険~【チートヒーラー外伝】  作者: 黒倉ばくら


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第31話 時魔導士、丸裸にされる

「わあ!面白いですの!お肉とパーツが一緒になってますの!」

「み、見ないでぇ……」

「酷いもんじゃのう……回路が生体組織でずたずたに分断されとる。……チルカ、本当にどこにも異常はないんじゃな?」

「あい、ダンカン様。強いて申し上げるならば、空冷式排熱機構の冷却効率が大きく低下している程度です」

「そりゃ、中にこれだけ余計なもん詰め込めばそうなるわい。くれぐれもオーバーヒートには注意せいよ。……むっ、この冥華はなんじゃ?明らかにソウルユニットではないな……」

「あ、それは僕のっす」

「なに、どういう事じゃ!?……そう言えばお主ら、ティンから来たと言っておったな。最近あの国で愚かな人間が冥華の技術を復活させ、国家転覆を謀って失敗したと聞いたが……ハルトお主、まさかその被害者か!?」

「おにいちゃまに冥華が入ってるんですの?……大変ですの!冥華が入ったら魔物になっちゃうんですの!」

「大丈夫だよ、レイ。この冥華は、僕に悪さを働いたりしない。これはね……僕の大切な人が、最後にくれた贈り物なんだ」

「そうなんですのね!それなら安心ですの!」

「ふむ……たしかに生体組織に浸食の兆候はない、か。よく見れば妙じゃのう……この冥華、あまりにも開きすぎておる。こんな状態になる前に、100回は宿主が死んじまうはずなんじゃが……」

「…………。レイのソウルユニットは、冥華を使ってないの?」

「はいですの!おじいちゃまが、魔術で少しずつ育ててくれたんですのよ!」

「お主ら人間はもう忘れとるじゃろうがのう……元々冥華は人の精神を人工的に再現するために生み出されたものなんじゃ。時間さえかければ、命を犠牲にせずとも作れるんじゃよ」

「知ってます。メルクリウスさんが最初に発明して、その時は精神模倣魔石って呼ばれてたんですよね」

「なぜ、それを……やはりお主、只者ではないな……?」

「どやぁ……」

「ともかく、今のお主らはソウルユニットを二基搭載したオートマタのようなもんということじゃな。ふうむ、ロマンがあるのう……」

「あい。魔力容量は従来の1.8倍となっております。瞬間最大出力は……わっ!?ちょっと急にな同じくにするのさ!1.8倍です。一機のオートマタが持つ動力としては、規格外と言えます」

「な、なに、1.8倍じゃと!?それならば50000ニュクスの壁を超えているのではないか!?」

「あい。現在当機体の瞬間最大出力は62733ニュクスに到達しています」

「60000!?ほーっ!すごいのう!すごいのう!」

「すごいですの!すごいですの!」

「魔力容量は14万3000ニクソスでございます」

「14万!?嘘じゃろ!?」

「ねい、本当です」

「そんな小さな機体で……ぼったくりじゃ!すごいのう!すごいのう!」

「すごいですの!すごいですの!」

「ふふ。帝国に栄光あれ」

(なんか盛り上がってるけど全然ついていけない……)

「しかし、こんな破綻した設計でも案外動いちまうのか……ふむう、ワシはオートマタというものを、四角四面に考えすぎていたのかもしれんのう……」

ひげをいじって何か考えていたダンカンは、はたと膝を打った。

「そうかっ!フレッシュスライムを感覚回路の一部として使えば……行ける……行けるぞい!レイ!手伝っておくれ!試作じゃ、試作じゃあ~~っ!!」

「じゃーっ、ですの!」

(なんか作り始めちゃった……)

「……!マスター、急いで退出しましょう」

(え、なんで?)

「せ、戦闘訓練です。

合体が解除されてしまう前に、至急行っておく必要があります」

(あそっか)


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