2024/10/21(月曜日)3/5
記憶から浮上する。
あれから一週間、伊都はわたしを空気みたいに扱った。わたしも時間が解決してくれることに期待して、胸を痛めながらも伊都と距離を置く日々を過ごした。
二週間が経とうとしても伊都が話しかけてくることはなくて、わたしはようやく焦りを覚えはじめた。
声を掛けたら嫌そうな顔をされた。けど、しっかり受け応えしてくれた。南野呼びは変わらず、前よりも尖った態度ではあったけど、話せたことがうれしくてわたしは泣いてしまった。すると伊都はわたしが両親になにかされたんじゃないかと心配してくれて、なんだ絶交なんて嘘じゃん、と安堵した。
高校生活二度目の春がやってきても、わたしたちは伊都と南野のままだった。
仲直りは、伊都がしたいと言ってきたらしようと決めていた。罪を犯した側であるわたしがそろそろ仲直りしてあの頃に戻ろうよ、と言うのはなんだか気が違うしたからだ。
絶交したけど関係が断絶しているわけじゃない。そんな不思議な状況が続いていることもあり、仲直りを急く必要はないと感じていた。
そんな日々がだらだらと過ぎていき、気づけば桜の季節が終わっていた。
入れ替わりでやって来た夏もあっという間に去っていき、秋の足音がすぐそこまで迫ってきた九月末――その日は訪れた。
揺らぐ意識に身を委ねる……




