第五十一話 頑張った成果 失敗のせいか
しおり制作も始まり、初日を終えた。
俺はあれから家で表紙の文字を書いてみて思ったのだ。
(これ思ったよりも早く終わるんじゃないか?)
天道に課せられた宿題の表紙の文字をほんの十分程で終わらせてそんなことを思った。
そして、翌日ーー
朝は普通に起きれたので、調子は良い方であった。
学校へ行き教室へ入ると、天道から『おはよう』という挨拶を頂けた。
俺もその四文字を天道の方を軽く見ながら返したのだが、今日は挨拶の準備をしていなかったため照れて上手く言えなかった。
周りの反応も前回よりかは小さかった。
「あれ、天道さんまた挨拶したよ」
などの軽い反応のみであり、二回目となると騒がしくなるような事はなかったので少し安心した。
昨日のLHRと居残りでしおり制作があったので、挨拶するくらいの仲にはなったと思われているんだろう。
そんなことがあったくらいで、至って普通に過ごすことが出来た。
そして放課後ーー
チャイムが鳴り、鑑野先生の挨拶と共にクラスの皆が帰っていく。
「天道さんさよならー!」
「桜ちゃんまたねー!」
隣には笑顔で手を振る天道の姿があった。
今日も隣の天道は人気ものである。対して俺は挨拶をされることはなくーー
「昨日の続きは出来たかしら?」
朝に挨拶をしてくれた天道から話しかけられる。
「あっ、うん、まあね」
と、言いながら自信満々に昨日は白紙であった文字の書いてある紙を取り出す。
「うーん、まぁ大体はこんなもんかしら」
少し納得のしてなさそうな表情であったが、俺と話している時の天道はいつもこんな感じのような気もした。
「でも、これ半分に折るんだから半分に折って書きなさいよ」
天道が少し強めに言ってきた。
こんな言い方の天道をクラスの誰かが見たら驚くだろうと辺りを見渡したのだが、既に教室には二人っきりであった。
この天道とかいう女子は周りを見て態度を変えているのかと思い、感心と少し怖い気持ちがした。
「これ、半分に折るのか?」
半分に折るという事を聞いていなかったため天道に確認する。
「当たり前でしょ!どこにこんな大きさのしおりがあるわけ?それじゃあ、まるでノートだわ」
今度は確実に怒っているようだ。確かにこんな大きさのしおりはないだろう。
「そうだな。ごめんごめん。でも、これでノートにして皆に愚痴を書いてもらったら良いんじゃないか?」
天道から『ノート』という言葉を聞いて思い付いた事を少し笑いながら言ってみた。
すると、天道は立ち上がり俺の前に立った。
「痛っ......」
俺の足に痛みが走った。天道に蹴られたのである。
顔をあげて天道の顔を見てみると、そこには少し顔が赤くなっている天道が怒りながらこちらを見ていた。
「ごめんごめん。冗談だよ!悪かったって!」
俺はまたもや笑いながら謝る。
「無理!許さない!絶対に今馬鹿にしたでしょ!!やっぱり『ノート』の事、変だなって思ってるんでしょ!!」
これは思った以上に怒っているようであった。真剣に謝らなければいけないようだ。
と、思った時ーー
「おっ、やってるねー!てなんだ?何二人で仲良くしてるんだ?しおり制作は進んでるのか?」
タイミングが良いのか悪いのか鑑野先生が教室に入ってきた。




