第二十三話 いつもと変わらぬ日常 いつも変わった日常
朝ーー
いつも通りに目が覚める。
昨日は色々あったというか、ありすぎた。
だが、それとは裏腹に最高の寝起きだ。
昨日はあれから、食事と入浴だけ済ませてすぐに寝入った。
久しぶりの熟睡であった。昨日の学校での休み時間の完璧な使い方も手伝って、家で予習復習と課題をすることもなく、全てを睡眠に使った。
その結果が、この爽やかな寝起きである。
顔を洗い、朝食をとる。
「あら、珍しいわね。いつもより少し早いじゃない」
母親もすこし驚いた表情をしている。
「昨日は早く寝て、ゆっくり眠れたからね」
「そう。てっきり、夏海と顔を合わすのが気まずいのかと思ったわ」
ん?
忘れていた。この家でも一つ問題が起こっていたことをーー
昨日は夏海が帰って来るのが遅かったから、顔を合わせる事がなかったのだが、俺は今妹の着替えを見て謝らずに開き直る最低なお兄ちゃんになっている。
この無実の罪を晴らさなければならない。
着替えを見たことは事実ではあるが、謝る前に殴るのはいくらなんでも許せない。
今日という今日は暴力を振るった事を謝らせよう。
(ガチャ)
妹がリビングに入ってきた。
こちらを見るなりすぐにわざとらしく頭ごと回転させて目線をそらした。
そっちがその気ならこっちもこっちだ。と思い、急いでご飯を食べ終わり
「ごちそうさま!」
と、言って食器を片付けてリビングを出る。
「あら、早いわね。いってらっしゃい」
「いってきまーす」
母親の言葉がギリギリ聞こえてきた所で家を出る。
今日は、気持ちよく起きれて清々しい朝を迎えれたので、無駄な争いをしてせっかくの朝を台無しにしたくなかったので、争わない作戦にしたのであった。
まだまだ肌寒い春風と共に期待と青春と花粉を運んでくるこの春もたまには悪くないなと思う。
今日、天道が来たら昨日のお姉さんの事を聞こう。そうだ。それきっかけで話しかけることができる。後は流れでノートの話に......。
と、考えていると前に加藤の姿があった。
「かとっ......」
加藤の事を呼ぼうとして、名前を言いかけた瞬間、昨日の事を思い出す。
(そういや、あいつと喧嘩してたんだった)
加藤はすぐに友達に声をかけて二人で当校して行った。
少しだけ嫌な気持ちになったが、調子は良いので、早く学校に着いて本でも読もうと思う。
今日は早く家を出たので、いつもと周りの当校している人達が違うように思えたが、いつも周りの人をよく見てなかったので実際はどうかは分からない。
あれ?
そういや、加藤も今日は早いな。
もしかして、俺と当校時間をズラしたのだろうか。
そうなると、昨日の妹もわざと食事時間をズラしたのだろうか。
学校に着いた頃には、やはり気持ちが沈んでいた。
下駄箱に靴を入れていると、宇治島実がやって来た。
一瞬、お互いに目が合ったが気まずそうにお互いそらした。
特に会話をすることもなく、俺は早々と教室へ向かう。
廊下には人の声が少ない。非常に生活しやすい生活音だ。
教室のドアを開け中へと入る。
教室内は五人が静かに本を読んでいるか、ゲームをしているか、携帯を触っていた。
いつもこの人たちはこの時間帯に来て居るのだろう。俺が入ってくるや否や、俺の事をチラ見して何事もなかったかのように自分の作業に戻る。
俺も特に気にせずに着席して早速、辺りと同化し始める。
それから何人かが徐々に入ってきたが、そこからは本の世界に居たため、あまり良く分からない。
俺が教室に入って、まもなく宇治島と加藤が教室に入ってきたことだけはわかった。
そうして、どれくらいの時間が経っただろうか。ふと気が付くと、もう予鈴のなる頃だ。
さて、今日も一日始まる。今日一日を頑張れば明日からは二年生初めての週末だ。
今週は長かったが、明日からは思いっきり家でゆっくりしよう。
なんて、学校が終わってからの楽しみを糧に今日一日をやり抜くモチベーションを上げてみたりする。
そして、チャイムが鳴ろうとするその瞬間ーー




