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第五話「因果を解く」

にゃっぴーを抱っこして癒された私は、囲炉裏の火を見つめた。

火が消えていない。それだけで、胸の奥が緩む。


「結構汗かいたなぁ。制汗剤もないし……大丈夫?匂いしない?」


にゃっぴーが鼻をひくひくさせる。


「……してるにゃ」

「マジで!?」


にゃっぴーは猫さんだから敏感なだけだよね!?

ヘレネが咳払いをひとつ。


「ミコト。行水しましょう。いまは落ち着くことが大切です」

「うん、お願いします……」


にゃっぴーとヘレネを伴って、“お風呂”へ向かった。正式には“湯殿”というらしい。

というか改めて宿の中を見回して、ようやく気付いた。客間が四部屋。広間が一つ。台所の土間。そして、湯殿。


……私たち、広間で生活してたんだ……


まぁ囲炉裏はそこにしかないから、仕方ないけど!


戸を開けると、木と湿気の匂いがする。洗い場があって、桶や簡単な浴槽がある。ここなら濡らしても大丈夫そう。

お手洗いと違って、思いのほかしっかりした作りだ。


今日は、念のため巫女服を着たままで行水しようと思う。服を脱いで、しっかり湯船に浸かりたい気持ちもあるけど、緊急事態があるかもしれないからね。

ヘレネが真面目な顔で言う。


「目を閉じて、少し上を向いてください」


これは、朝にも見た流れだ……


「ヘレネちゃん、また溺れさせようとしてない?」

「違います。顔も含めて全身丸洗いしようと思ったら、その姿勢が一番ですので」


……疑ってしまって、ごめんなさい……

言われるがまま、私は目を閉じて顔を上げた。そしてしっかり口を閉じた。


「“水瓶座”よ。来なさい」


適度な勢いで温かい水が降ってくる。

あぁ〜……生き返るぅ。やっぱり余裕ができたら湯船にも浸かりたいなぁ。

だけど、服を着たままなのにやたら快適だ。

しかも水に濡れてるはずなのに、白衣も透けない……!めちゃくちゃ便利だ!


クレンジングも洗顔料もシャンプーもボディソープも無しで汚れを落とせる“水瓶座”。元の世界でも使えるようにならないかなぁ……


ん?クレン……ジング?


――その瞬間、私の脳内に稲妻が走った――


あれ?今、ベースメイクどころかスキンケアすら……やれてなくない?これはマズい……


私は、神託をもたらす巫女のように、厳かに告げた。


「にゃっぴー、ヘレネちゃん。今回の件が解決したら、スキンケア用品の代わりとなるものを探しに行きます。これは私の“尊厳”案件です」


にゃっぴーが呆れたように言う。


「紙の次はスキンケアかにゃ……ミコトの“尊厳”は傷付きやすいにゃ。異世界生活二日目にしてボロボロにゃ」


おい、誰の肌がボロボロだって?少し乾燥してるような気もするけど、まだ気のせいの範囲だぞ!


ヘレネは頷きながら同意してくれた。


「ミコト、それは大事なことです。余裕ができたら、ぜひ探しに行きましょう」


さすがヘレネちゃんだ。女子にとっては外せない案件だと分かってらっしゃる。

ヘレネから渡された手拭いで、髪を優しく拭きながら改めて決意する。

絶対に、化粧水くらいは探すのだ!





行水が終わって、囲炉裏の前に座る。

不快感もなくなり、体も温まった。

さて――“あの子”を救うための、作戦会議だね。

ヘレネが静かに言う。


「では、“あの子”について整理しましょう」


私は頷いた。

あの爪、あの血を舐める動き――思い出すだけで身が竦む……

でも、“あの子”だって困ってるんだ。


「まず、さっきの“止まった”動き。あれは牽制で、じゃないにゃ。飲んでたにゃ」

「うん……見えた。水を飲んでた」

「つまり、“あの子”は“飢え”だけでなく、“渇き”も抱えていた、ということです。渇きが満たされたから、一段攻撃性が落ちた」


だから、帰り道では襲ってこなかった。


「……じゃあ、“あの子”、本当は……」

「“人喰い”になりたいわけじゃないにゃ」


にゃっぴーの声が、少しだけ低くなる。

その一言で、私の胸が少しだけ楽になった。

ヘレネが続ける。


「問題は、渇きが満たされた後――次に何を欲しがるか、です」


私は顔をしかめた。


「食べ物、だよね……」


だけど、こちらの抱えている食料も、決して潤沢ではない。


「その通りです。そして今日、“牡牛座”が解放されました」


食べ物が必要、という結論のあとで“牡牛座”の解放宣言……まさか、牛の幻影からお肉でも取るのだろうか……さすがにグロいぞ。


「百聞は一見にしかず、です。来なさい、“牡牛座”よ」


ヘレネが掌を翳したあたりで、幻影が浮かび上がる。


だけど何故か、現れたのは“乳牛”さんだった。


私は一旦目を閉じて、眉間のあたりを揉んで、もう一度、目を開いた。


――やっぱり、乳牛にしか見えない。


「ねえ、ヘレネちゃん。“牡牛”座なのに、なんか……“乳牛”っぽいんだけど」

「“牡牛座”です」

「いや、でも」

「“牡牛座”です」


そうなのか……何か、そういう“お約束”でもあるのだろうか……


「さて、ではここからが“牡牛座”の能力となります」


“牡牛座”が元気よく、やたらいい声で鳴いた。


「モォ〜っ!!」


次の瞬間、瓶が五本、ぽん、ぽん、と並んだ。

乳白色で、ふた付き。多分二百ミリリットルずつ。


……これ……どう見ても……


「……牛乳だね」

「牛乳です」

「あの、やっぱり、“牡牛”では――」

「“牡牛座”ですね」


押し切られた。





私は一本手に取って、ヘレネを見る。


「私が飲んでも平気?」

「えぇ、むしろ栄養補給のためにも、おすすめします。成人女性なら、三本も飲めば一日分の栄養はだいたい賄えるようです」


すごくない?完全栄養食じゃん。そういう能力で出てきた牛乳だからなのか、栄養価がやたらと高い。

そして……ここに来て、いきなり食料問題が解決したな!飽きない限りは、だけど。

ごく、ごく、と飲む。


「……おいしい。二日ぶりのタンパク質だから、余計に」


ヘレネが少しだけ肩の力を抜いた。


「栄養価はかなり高いはずです。“あの子”に与えれば、“飢え”を緩められる可能性があります」


私はそのまま、一気に牛乳を飲み干し――瓶が消えた!?無駄にエコ仕様だな!?


でも、これで解決の目処が立ったかもしれない。

にゃっぴーが言った。


「明日、匂いを追うにゃ。今日出会ったやつの匂いが濃い場所を探すにゃ」


ヘレネも頷く。


「“水”で渇きを、そして“牛乳”で飢えを。そこまでできれば、次は――話が通じる段階に戻せるかもしれません」


私は小さく息を吐いた。


「よし。やろう。正直ビビってるけど……やる」


あの子だって、困ってるはずなんだ。キヨちゃんのように。


だから――最善を尽くそう。





その夜。

囲炉裏の(おき)が残る部屋で、私は客間から持ってきた布団に潜りながら、改めて、明日以降に思いを馳せる。


「明日、この件が無事に解決したら、にゃっぴーには頑張ってもらうからね」

「急に何にゃ」

「スキンケア用品の代わりになるものを、探すんだからね」

「……明日が無事に過ぎたら、にゃ。もう寝るにゃ。さっさと寝ない方が肌に悪いにゃ」


そう言われたら、ぐうの音も出ないね……


にゃっぴーを湯たんぽ代わりに抱っこして、私は目を瞑った。





翌朝。

囲炉裏の熾が、まだほんのり温かい。


「起きるにゃ。ミコト、起きるにゃ」


どこからか声が聞こえた気がして、私はゆっくり目を開けた。


「うぅん……にゃっぴーだ。おはよ〜……」

「おはようにゃ」


にゃっぴーが、私のお腹の上で丸くなっていた。

朝からとっても可愛いし、ふわふわで暖かい。


「……今日が勝負の日だね」


ヘレネが戸口の近くで頷く。


「はい。無理はしないでください。まずは身支度を」


私は昨日の“水瓶座”の快適さを思い出して、少しだけ元気になる。そして昨日の残りの“牛乳”も一本飲んで栄養補給もしておく。

“尊厳案件”も大事だけど、まずは“あの子”をどうにかしてあげたい。


出発前に、昨日の残りの“牛乳”を一本ずつ、合計二本、両手で大事に持つ。

割ってしまったら、中身ごと消えてしまうのだとヘレネから説明を受けた。エコが過ぎる……

さすがに、麻袋に入れては持って行けない。


「ミコト、わざわざ持って行くのですか?一日に出せる数量は決まっていますが、“あの子”と対峙したその場で出すこともできますよ?」

「うん、せっかく昨日の残りもあるんだし、一旦このまま持っていくよ。……それに、目の前で“牡牛座”の幻影を出したら、警戒されるかもしれないし」

「確かににゃ。僕たちは“そういうもの”だと分かってるけど、向こうは違うからにゃ。ミコトの判断が正解だと思うにゃ」

「……言われてみれば、そうですね。信頼を得たあと、改めてこちらの事情を説明しましょう」


これが、あの子を“元に戻す”鍵なんだ。大切に持ち運ぼう。





森に入ると、昨日より空気が刺さる気がする。

怖さが消えたわけじゃない。

けれど――覚悟は決まった。


にゃっぴーが先頭に立つ。


「匂い、こっちにゃ」


私は、なるべく前を見て歩く。

ヘレネは私の少し後ろ。

いつでも掌を上げられる距離で、静かに身構えている。


「ヘレネちゃん。何かあったらすぐ水瓶座お願いね」

「もちろんです」

「にゃっぴーも……無理しないでね」

「ミコトが無理しない方が大事にゃ」


まぁ……実際にやることって、牛乳を飲んでもらうだけなんだけどね……。





だんだん、生物がいる気配が濃くなってくる。

土が荒れ、落ち葉の上に、何か引きずったような跡。


そして――見えた。


黒いもや。痩せた影。赤い目。唾液。

それから、複数いる。

昨日出会った子は、群れの一員だったようだ。


「……いたね。けど、七人もいるね……」


にゃっぴーが私の前に出る。


「近づくにゃ。僕が見るにゃ」


にゃっぴーが“意識して”視線を合わせる。

一瞬だけ、にゃっぴーの目が鋭くなった。


「……“餓鬼”、って見えるにゃ。複数。……空腹が強いみたいにゃ」


おそらく渇きは、小川の水を飲めるようになったから解消したんだと思う。


だから残りは――空腹。


多分、当たりだ。あとは、空腹をどうにかできれば、理性を取り戻してくれるはず。


そして、名前が分かっただけで、心臓の音が少し落ち着く。

“分からない恐怖”が、“分かる怖さ”に変わったから。

ヘレネが小さく言う。


「ミコト。ここからは、あなたが中心です」


分かってる。私は覚悟を決めて、瓶を一本持って、ゆっくり前に出た。


「こんにちは」


返事はない。

餓鬼たちはうろうろして、私の匂いを嗅いで――舌なめずりをした。


……これ、私を食べ物扱いしてるんじゃないよね?やっぱり怖くなってきた……

私は喉が鳴るのを必死に抑える。


「ねえ。これ、飲んでみない?おいしいよ?」


私は瓶のふたを開ける。

そして、わざと大きめに、目の前で飲んだ。

ごく。ごく。


「……ほら。ちゃんと飲めるものだよ?」


餓鬼たちが、動きを止めた。

そして目が、瓶に釘付けになっている。

……見てる。欲しがってる。

私は瓶を地面に置いた。そっと、倒れないように。


「飲んで、いいよ」


一歩、下がる。

にゃっぴーが私の横にぴたりと付く。

ヘレネは掌を上げ、いつでも“水瓶座”を呼べる体勢。

群れの中で体格のいい“餓鬼”の一体、おそらく昨日襲ってきた子が、じり……と近づいた。

鼻先で匂いを嗅ぎ、一瞬、私を見る。


――そして、瓶に口をつけた。


ごく、ごく、ごく。

あまりに必死で、むせた。

それでも飲む。

飲み終えた瞬間――瓶が、ふっと消え、“餓鬼”が目を丸くする。


「……?」


そして、徐々に黒いもやが薄くなっていき……完全に消えた。赤い目の色が、落ち着いてくる。

唾液が止まり、呼吸が整う。

その“餓鬼”は、ふらつきながら座り込み、小さく言った。


「……う、うまい……」


言葉が、出た。

にゃっぴーが再び、“餓鬼”に視線を合わせる。


「……“小鬼”になってるにゃ」


私は息を吸って、ようやく安心した。


「よかった。通じるかな?私はミコトっていうんだ。もう、大丈夫?」


“こおに”――“小鬼”が、首を振る。涙でも出そうな顔で、片言のまま言う。


「……ごめん。おれ、けが……させた……」


私の手の甲に、視線が落ちる。

私は反射で隠しかけて、やめた。

怖かったのも、少し痛かったのも事実。


でも――今は。


「……大丈夫。ちょっとだけ痛かったけど、もう平気」


“小鬼”は、ぐっと拳を握った。


「……なかま……いる。みんな……おなじ。おなか……からから……」

「うん。仲間の分も、ね。とりあえず手元にある、もう一本を渡すね」


瓶をもう一本。“見せる”ように置く。

すると“小鬼”に戻った子が、他の子のところに持って行き、何か声をかけて牛乳を飲ませる。

飲むたび、黒いもやが薄れていく。赤い目が落ち着き、言葉が戻っていく。


だけど――たった今、牛乳を飲んだ子は、まだ“澱み”が薄く残っている……どういうこと?最初の子は、完全に消えたのに。


「……今から、他の子の分も牛乳を出すけど、驚かないでね?ヘレネちゃん、お願い」


ヘレネもあまり驚かせないように気を遣い、私たちの背後に掌を向け


「“牡牛座”よ、来なさい」


モォ〜!!というよく響く声のせいで、“小鬼”たちの群れに動揺が広がった。逃げ出そうとする子、こちらに飛びかかろうとする子。

だけど、理性が戻った体格が少しいい子が何とか落ち着かせてくれる。この子が群れの“リーダー”なのかもしれない。


ぽん、ぽん、と五本の牛乳が並び、それを一本ずつ、慎重に彼らの近くの地面に、そっと置く。


再び、“リーダー”らしき子が、他の子たちのところに持って行き、牛乳を飲ませていく。


――が、やはり“澱み”が薄く残っている。


「ねぇ、最初の子以外、まだ“澱み”が残っているように見えるんだけど」

「でも、全員“小鬼”って視えるにゃ」

「えぇ。それに言葉も戻ってきているようです。手順は完璧だったように思えますが……」


最初の子と何が違う?見落としてることは――


あ。そうだ、“水瓶座”だ。

昨日“リーダー”だけ、牽制で“水瓶座”を直接浴びていた。


もしかして、それが完全に“澱み”を祓う一手なの?


「ヘレネちゃん、“水瓶座”だ。多分それが、最後の一手なんだ」

「……!水妖の時は、水自体が汚染されていたから、“水瓶座”の浄化が効いたのだと思っていましたが……そもそも“澱み”自体を浄化する効果とは――」


私が、再び“小鬼”の群れに声をかけようとすると、“リーダー”が前に進み出てきた。


「ありがとう……おかげで、みんな、たすかった」

「うん、どういたしまして。でも、君にも見えてると思うけど、仲間の方はまだ“黒いもや”が見えるよね?それをどうにかするためにも、ひとつ試してもらいたいことがあるんだ」

「……!あれ、どうにか、できるか?あれ、でてから、だんだんみんな、おかしくなった」

「多分ね。ヘレネちゃん、“水瓶座”を」

「えぇ。“水瓶座”よ、来なさい」


私たちの近くに水瓶の幻影が現れ、ちょろちょろとした勢いで、浄化の水が溢れだした。


「“黒いもや”が残っている子にも、この水を浴びてもらえるかな?それで、どうにかできる――はず」


さっそく“リーダー”が他の子の目の前で、水を浴びてみせ、誘導していく。


そして予想どおりに、浄化の水を浴びた子から順に、“澱み”が消えていった。


……これで、おそらくだけど、“澱み”を祓う条件がわかった。“水瓶座”による浄化、そして現在の“差し迫った問題”の解決。この二点だ。


キヨの場合は“澱み”による“本体の汚染”。

キヨが言っていた、自然に近く、弱い妖怪は影響を受けやすい。だから“澱み”が溜まるだけで汚染され、“水瓶座”のみで一息に解決できた。


“餓鬼”の場合は、“澱み”、そして“飢え”と“渇き”。キヨを浄化したことにより、小川の水を飲めるようになり“渇き”が癒え、牛乳で“飢え”を満たし、“水瓶座”で“澱み”が浄化された。


これが――多分、絡まった因果とそれを解く方法。目の前の霧が晴れたかのような気分。

もしかすると“これ”が、私が異世界に呼ばれた理由なのかもしれないね……。


改めて“リーダー”が私の前に進み出てきて、膝をついた。


「ありがとう……なかま、みんな、もとにもどった。つぎは、おれのばん。おんを、かえす」


にゃっぴーが私の裾を軽く引いた。


「ミコト、今にゃ。“名付け”るなら、今にゃ」


……うん。分かってる。

私は一歩近づいて、目線を合わせた。


「あなたに、お名前をあげたい。……いい?」


“リーダー”は、一瞬だけ戸惑って――頷いた。


「……なまえ……ほしい」


私は、しっかり目を合わせていう。


「じゃあ――“サツマ”。キミのお名前はサツマ。

私が呼んだら、来てくれる?」


“同意”が降りるみたいに、サツマに柔らかい光が振り注いだ。


その瞬間――視界の端に、板が浮かんだ。


───────

サモニャー

スロット1:にゃっぴー LV.1(※送還不可)

スロット2:ヘレネ LV.1(※送還不可)

スロット3:空き


控え(“名付け”済み):キヨ(水妖“清水”)、サツマ(小鬼)

───────


私は、思わず笑ってしまった。


「やっぱり、毎回でてくるんだ」


サツマが、胸を張った。


「……おれ……“サツマ”。おまえ……ミコト。まもる」


……なんか、片言ですごく頼もしいことを言ってるね。

ヘレネが小さく息を吐いた。


「よかったです。ここまで戻せたなら、次は――生活を戻せます」


そして、私は手を伸ばして、サツマの肩に触れる。


「これからよろしくね、サツマ。みんなで一緒に、戻ろっか。清水宿に」


帰り道。

森の空気が、少しだけ違って見えた。

怖さが完全に消えたわけじゃない。

でも――“どうにかできる”って実感が、確かに残った。


“倒す”じゃない。“戻す”。

その第一歩が、今日だったんだ――

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