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エクリプスレイン ~デッキと仲間と、俺たちの青春~  作者: 鳥雛


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第61話「タッグの意味」

放課後。


カードゲーム部の部室。


希美とレンジのバトルが終わったあと、部室には少し落ち着いた空気が流れていた。


リア先輩が壁にもたれながら言う。


「タッグ大会まで、もうあまり時間がない」


「そろそろ個人の強さより、ペアとしての強さを考えろ」


ハルトはカードを見ながら呟く。


「ペアとしての強さ……」


カエデも少し考え込む。


「連携って言われても、まだよく分からないな」


その時、部室のドアが開く。


「いいこと教えてあげよっか?」


瑞樹先生だった。


レンジが言う。


「先生、いつからいたんですか」


「さっきから」


瑞樹先生は机に軽く腰掛ける。


「タッグ戦ってね」


「強い人が二人いても、勝てないのよ」


部員たちは静かに話を聞く。


「タッグっていうのはね、二人で一つのデッキみたいなもの」


「前に出る人、支える人」


「攻める人、守る人」


「流れを作る人、流れを決める人」


少し間を置く。


「役割があるの」


ハルトは少し考える。


「……俺、一人で戦おうとしてたかも」


カエデが言う。


「私も、自分の動きばっかり考えてた」


瑞樹先生は頷く。


「それじゃ勝てない」


「二人で勝つのがタッグ戦」


「一人で勝つのはシングル」


部室が静かになる。


瑞樹先生は続ける。


「タッグで大事なのはね」


「信頼よ」


「この人が場を作ってくれる」


「この人が決めてくれる」


「この人が守ってくれる」


「そう思えるかどうか」


リア先輩が小さく頷く。


リリ先輩も静かに笑う。


ハルトはカエデを見る。


カエデもハルトを見る。


少しだけ、二人は頷いた。


その様子を見て、瑞樹先生は満足そうに笑う。


「いい顔になってきたじゃない」


そして少し考えてから言う。


「そういえばこの前、合コンしたのよ」


部室が静かになる。


レンジが言う。


「急に重い話きた」


マックス先輩も笑う。


「先生、何回目だっけか・・・」


瑞樹先生はため息をつく。


「顔よし、性格よし、仕事よし」


「かなり理想に近かったの」


レンジが言う。


「じゃあなんでダメだったんですか」


瑞樹先生は真顔で答える。


「エクリプスレインが弱かった」


部室が一瞬止まる。


ハルト

「そこなんですか!?」


カエデ

「そこなんですね……」


瑞樹先生は腕を組む。


「だって一緒に大会出られないじゃない」


リリ先輩が小さく言う。


「基準がカードなんですね」


瑞樹先生はリア先輩の方を見る。


「ねえリア君」


「もしタッグ大会、ペアいなかったら先生と組まない?」


部室が一瞬静まり返る。


レンジが吹き出す。


「先生、何言ってるんですか」


マックス先輩も笑う。


「それ最強ペアじゃないですか」


リア先輩は少し困った顔をする。


「……すみません」


その瞬間。


リリ先輩が静かにリア先輩の腕を引く。


「リアはもうペアがいるので」


瑞樹先生が固まる。


レンジが小声で言う。


「断られた……」


瑞樹先生はため息をつく。


「はぁ……」


「強くて、カード上手くて、性格も良くて、顔もいい人なかなかいないのよね」


部員たちは苦笑いする。


瑞樹先生は立ち上がる。


「まあいいわ」


「あなたたちはちゃんとペアで勝ちなさい」


「去年のリア君とリリちゃんみたいにね」


レンジが言う。


「やっぱリア先輩たちって強いんだな」


マックス先輩も頷く。


「タッグ最強ペアだからな」


リア先輩は少し照れたように目をそらす。


リリ先輩は何も言わず、静かにカードを整理していた。


タッグ大会まで、あと少し。


二人で戦う意味を、

部員たちは少しずつ理解し始めていた。


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