第59話「タッグバトル」
部室の机が片付けられ、中央にバトルスペースが作られる。
向かい合う四人。
ハルト、カエデ。
樹里、マックス。
リア先輩が腕を組んで言う。
「タッグ戦、練習試合」
「始めろ」
四人が同時にカードを引く。
「「リンク!」」
タッグバトルが始まった。
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セットフェイズ。
各自がセットできるカードは二枚まで。
これが通常のデュエルとの大きな違いだった。
「俺は2体セット」
ハルトは風属性ユニットを展開する。
素早く場を作る形だ。
後ろからレンジが言う。
「いいぞハルト!」
カエデは少し迷いながら一体をセット。
手札を見る。
場を見る。
ハルトの盤面を見る。
「えっと……」
サポートカードを出すが、ハルトの盤面とは少し噛み合わない。
リリ先輩が小さく言う。
「連携がまだ合ってないわね」
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樹里は迷いなく2体をセット。
「新しく幻風忍デッキにしてみたの」
無駄のない展開。
盤面が一気に整う。
さらにマックス先輩も2体。
「一気に行くぜ、影騎士団!」
力押しのように見えるが、樹里の盤面と噛み合っている。
ハルトは気付く。
(連携してる……)
樹里が盤面を作り、
マックスが攻撃を通す形。
役割が完全に分かれていた。
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数ターン後。
カエデが小声で聞く。
「ハルト、エアロフォトン出せる?」
ハルトは手札を見る。
「……出せる」
「でもカウンターが足りない――」
少し迷う。
出すべきか、まだ待つべきか。
その瞬間。
樹里がカードを置く。
「そこ、遅い」
盤面が崩される。
マックス先輩が笑う。
「決めるぞ」
攻撃が通る。
共有ライフが一気に削られる。
カエデが言う。
「ごめん、合わせられなかった」
ハルトは首を振る。
「いや、俺も出すタイミング遅かった」
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さらに数ターン後。
リア先輩が手を上げる。
「そこまで」
バトル終了。
レンジが言う。
「やっぱ樹里先輩たち強ぇな」
マックス先輩が笑う。
「タッグは役割分担だからな」
樹里がハルトを見る。
「ハルト」
「あなたは一人で戦おうとしてる」
「タッグ戦は違う」
「二人で一つの流れを作るの」
カエデも少し悔しそうに言う。
「私、合わせるの遅かったね」
ハルトは少し考える。
そして言う。
「いや」
「俺が合わせないとダメなんだ」
机の上のカードを見る。
エアロフォトン・ドラゴン。
風と光。
二つの属性。
二人で戦う。
「次は、ちゃんと連携しよう」
カエデが笑う。
「うん」
次の試合に向けて、
二人の戦い方が少しだけ変わり始めていた。




