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不動茂呂という男

 不動茂呂は転移前は身体が弱く、小食で内向的な性格の男子生徒であったが美形であった。


 前向きな表現だと陰のあるイケメンだった彼は異世界に転移した後、変わり始めた。


 元の世界に残してしまった妹の久美に生きて再会したいという思いか、魔王を倒す使命に燃えていたのか、或いは女神の加護か、弱かった身体が異世界では鍛錬に耐えてくれてくれる。


 成果は筋肉の成長として表れ、答えてくれる。


 幾分か食欲も湧き、己の筋肉に栄養を届けてくれる。


 この鍛え上げられた筋肉を自分だけで楽しむ出来物ではないとの考えが生まれてからは格闘術を達人と言われる老師から師事し、筋肉が綺麗に見える角度の研究した。


 そして、トレーニングをルーティーン化し、トレーニング道具を自作し、トレーニングの一環で王都及び周辺の町や村の魔物の駆除したり、敵の拠点の破壊をしていたら、何故か、魔王討伐に選ばれ、勇木イサミ、大洗美保と共に魔王を討伐していた。


 5年越しの帰還に茂呂は内心では喜んでいたが、元の世界に戻った際の病弱で正直、暗い自分に戻ることの恐怖もあった。


 だが、帰還直前に女神より与えられたギフト【強靭な身体】に震えた。


 無事に元の世界へ帰還し、クラスメイトが無事を称え合っている中、打ち上げへの参加に断りを入れ、茂呂は走って実家に帰る道中でギフトによるパラメータ補正の偉大さを実感しながら、トレーニングメニューと食事管理に関する計画を立て、妹と再開後に、早速実行したたゆまぬ努力の結果、ミケランジェロ化を再度、果たした。


 ちなみに異世界で女神ジェイド=メイヤーが作った魂の器には肉体の限界値は設定されていなかった。


不動茂呂が筋肉マニアになったのもある意味では女神のせいであった。


 部室に入ってきたモロは数ヶ月でかなりの威圧感を醸し出しているが勇者パーティーメンバーのイサミとミホは気にした風でもなく、モロを人差し指をクイクイと何度も折り曲げ、教室の端に呼びつけた。


「なんだよ」


「いいから、こっちに来い、モロ!!」


「来い」


「へいへい」


 イサミとミホの言葉にしたがい、移動したモロに二人は声を抑え気味に話しかけた。


「何故、異世界の話をクミにしたんだ? クラス内では親族にも話さないことに決めただろう」


「ああ、それが……、ミホが書いた小説の話になってな」


「うん」


「小説があまりにも上手く書けてるから、思わず言っちまったんだよ。各英雄側のキャラクターは俺のクラスが元ネタだって」


「なるほど、だがまだその程度なら、異世界に行ってたなんて話にはならないだろ?」


「ああ、だけど……、一度話して、『そうなんだ、兄貴も出てくるの?』なんて嬉しそうに妹に言われちゃうと、もう少し楽しませたいというのが兄心なのですよ」


「…。」


「その内に、『このキャラは兄貴に似てるねぇ? 活躍とかするのかな?』なんて言われた日には、もう話したくてうずうずするよな」


「…。」


「まあ、でもその質問には『そうだと良いな』位しか答えなっかたんだけど、日を追うごとに、イサミとミホは序盤活躍する場面もあったけど、『兄貴、出てこないね……』と言われている内に言いたい心と言えない心のせめぎ合いが出てきて……、つい『村はずれに住んでいる格闘術の達人の老師が出てきて、その人に格闘技を学んでから、熊型の魔物に襲われた村人を救った……、みたいになるんじゃなかいな、たぶん?』と言っちまって……、まあ、その通りになるもんで、そこから妹に詰められるわけよ」


「…。」


「『なんで先の展開を知ってるの? ミホ先輩は一人で書いてるって言ってたし、ていうか、なんでそんなに身体鍛えてるの、もう小説まんまなんですけど』矢継ぎ早に聞かれて、まあ、焦ってはいたけど、たまたまで押し切ってたんだけど……、お前達、妹に変なことを教えたよな?」


「なんだ変なことって、そんなことは言っていないぞ、なあ、ミホ?」


「うん、言ってない」


「いや、教えただろ? 女神様のモノマネ」


「「「あぁ……、うん、そうだね」」」」


「突然さぁ『嘘はやめないさい、不動茂呂。全てを話すのです』なんて言われたら『はい、女神様』って条件反射で言っちゃうわな」


「まあ、反応はするな」


「うん」


「否定は出来ないな」


「しかも、俺が答えないとモザイに聞くって言うんだよ」


 ショウにモロの視線が刺さる。


「…。」


「兄としては、クラスメートとは言え、妹が男と二人きりで話すのも胸くそだから、全部話したよ」


「そうか……、モロだけの責任とは正直言えない状況だな、話を聞く限り」


「そうだな、何もかもが裏目に出ている感が正直拭えないな」


「うん、私もそう思う」


「そうか、なら良かったが……、どうするイサミ、もう認めるか?」


「だな、その方が良さそうだ、ミホはどうだ?」


「私もそれでいいと思う。モ・・・」


 イサミとミホとのやり取りを聞き、モロが思わず言葉をこぼす。


「なんか、このやりとりも久々だな?」


「ああ、そうだな、前まではほぼ3人で行動してたし……」


「そうだね」


「じゃあ、クミに説明するか」


「ああ」


「モザモザもそれで良い?」


 モロがショウに良いよな? という目線を送ってくる。


「3人が良いなら、問題ないと思うよ」


「そう」


 そして、3人を先頭に後輩2人に異世界に行っており、ミホの小説も異世界で起きたそのままのことを書いていることを説明した。

 もちろん、他言しないように厳命している。


「じゃあ、勇木先輩と大洗先輩と不動先輩は勇者パーティで最終的に魔王を倒したんですね!! 凄いです!!」


 ミイシャがここぞとばかりに勇者パーティを持ち上げ、口では謙遜するが3人は満更でもなさそうだ。更に追い打ちとばかりにミイシャは質問する。


「先輩達が魔王と戦っている時、茂在先輩は何をしていたんですか?」


「そう言えば、そうだな、モザイ君はあの時何をしていたんだ? 皆と一緒に魔王城の兵士達を倒していたくれたのか?」


「……、戦闘の長期化にも備えて食料や物資を輸送する部隊の護衛をしていたよ」


「そ、そうか、助かったよ」


「……そうだな、そうだと良いな」


 また変な空気になったので、皆で話題を探っているところに、ミイシャがクミに話掛ける


「不動さんのお兄さんってカッコイイね。こんな素敵なお兄さんと家で一緒なんて憧れるなぁ」


「そうかな?」


「そうだよ、しかも強そうだし……、いや、強いのか、すいません、不動先輩」


「いやいや、クミ、良いクラスメイトに恵まれているな」


「何デレデレしてんの? 兄貴ってマジで単純」


「なに怒ってんだよ、クミ、ごめんって」


 不動兄妹の兄妹仲の良さにほっこりしながら、若干醸し出されているショウのモブ感を払拭する為、ミホが話を切り出す。


「話が途中だったけど、モザモザ。女神様が言っていた【あれ】ってやっぱり、この世界の魔王のことなんじゃないかな?」


 魔王という言葉に反応したモロが話に加わる。


「なんだ、魔王なんて物騒な言葉を言うなよな。何かあったのか? 説明してくれよ」


「そうだな、モロの助けも必要かもしれん、実は・・・」


 モロの言葉を受け、イサミはショウが今まで女神より受け取ったメッセージについて説明する。


「5年後に起きそうな何かが、近々起きそうってことか?」


「ああ、要するにそんなところだ、抽象的過ぎてすまんな」


「だが、何か起きてからじゃ、遅いよな?」


「もちろんだ」


「じゃあ、協力はするし、この部にもたまに顔を出すようにするさ」


「おお、それは助かるな……、だが他の部活も忙しいんだろ?」


「柔道部・空手部・合気道部・剣道部に入っているが、平日5日の内、1日は空いてる。それにクミも心配だしな」


「そうか、まあ、来れるときに来てくれ、シスコン」


「ああ、そして、その言葉にはもう動じないよ」


「そうか、では入部としたいが……、異論がある者はいるか?」


「問題なしです!! 不動先輩。改めまして、神山美依沙と申します」


「よろしく、神山さん」


「ああ、なんて紳士で勇者なのでしょう。どっかの先輩とは大違いです」


「…。」


「ミイ、余計な事は言わない。後、空気を読みなよ。……モザイ先輩、すいません」


「ああ、気にしてないよ。ありがとう、クミ。……不動、改めてよろしく頼む」


「ああ、モザイ、よろしくな」


 ミホはショウに視線を送るがショウは俯いているようで視線に気づかなかった。


「ミホはどうなんだ?」


「うん、戦力的にも良いと思う」


「了解した。では改めて、モロ、よろしくな」


「ああ、皆、よろしく!! 頼りにしてもらってかまわない」


「ビックマウスだな、モロ。まあ、期待はしてるよ」

面白いと思って頂けたら、嬉しいです。


道 バターを宜しくお願いします。


他にも作品をアップしています。


作者ページを見て頂くと、なんと!?すぐに見つかります(笑

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