6話 勇者の子
帰ってきたブレイブは魔王を倒した功績から王座へと押し上げられることとなる。彼が国王となった日、神の声が聞こえた。
「おまえをこの国の王と認めよう――ブレイブ・フィリトレーン・ムーナ。フィリトレーン」
ブレイブは神にトリリアン王国の王と認められたこともあり、ブレイブは王朝を立ち上げた。それをフィリトレーン王朝と呼ぶ。その王朝立ち上げと同時に新たな二つの侯爵家が立った。それらの侯爵家を立ち上げたのはブレイブの友人たち。
立ち上げられたのはシャビア侯爵家、クラリス侯爵家の二つ。
そして、数百年立った頃。フィリトレーン王家の最後の王が亡くなり、王家が途絶えたため、当時の貴族たちの力関係からシャビア侯爵家が王家となった。
だが、分家は残ってはいた。フィリトレーンの最後に残った分家の当主、それがオダルディの父親だった。父親亡き後、フィリトレーンはオダルディだけとなる。
「確か、こうやってフィリトレーンがオダルディさんだけになったって感じだったはず.......」
ミアが思い出しながら言うと、メイは肯定した。
「あってるわ。今学校でそんなことまでやるの?」
メイが苦笑いを浮かべる。
「中1の社会科の授業でやったの。まあ授業ではここまで詳しくはないかな。最近の出来事に関しては王国に来るまでに調べました。けど、わからない......」
ミアは頭を抱えていた。ううん、ううん、とうなっている。
「もったいぶらずに教えてください〜」
「僕もわかりません.......」
「じゃあ、本についてからね。この本が日記なのはわかる?」
「はい。なんか数時間坊主だったのかな。フィリトレーンって人」
「そもそもフィリトレーン、という人がいたのかどうか........」
「いないわよ。名前は関係ないわ」
だとすると..........とレビーはつぶやく。
「なんなんですか?」
「いや、大事なのはそこじゃないわ。”フィリトレーンの本はここにある”という文よ」
「え?」
「本は普通どこにある?」
「図書館――」
ミアは合点したように呟いた。
「そう。つまり図書館の『フィリトレーンの本』があるはずの場所に……なにかある」
「何かってなんなんですか」
「知るか。さぁ、行くわよ」
メイは図書館へと足を進める。少々、後ろを見ながら――
◇◇◇
「ここね」
メイは図書館のフィリトーンの本があるはずの棚の前にいた。
「多分この辺に」
メイは棚の本を後ろに押し始める。
「メイ、何をしてるの?」
「あった!」
メイが数個目の本を押すと、本棚が動いて隠された入口らしきものが出てくる。
「多分これが王家の秘宝のある隠し部屋だと思うわ」
「よくやったな。メイくん」
突然メイのうしろから声をかけたのは、国王ギリアン。いつのまにかメイたちの周りを兵士が囲んでいた。
「――このくそやろう」
「ひどいなぁ」
特徴的な赤褐色の瞳が細められる。
――改めてみるとやはり美青年にしか見えないのがムカつくわね。
メイはそう思う。
本当に、国王は美しかった。長い白髪から、細い指先まで、すべてが。
「君はもう用済みだ――やれ」
国王が号令をかけると、メイに一気に兵士たちが飛びかかる。
「ふっ。僕たちも舐められたものですね、な。ミア」
「ええ。こんな人たちで私たちを倒せると思っているなんて、心外だわ」
レビーは魔力で剣を、ミアは杖を取り出して兵士の方を向く。
レビーは剣を使い、蹴ったり拳で殴ったり……あれ剣使ってない……?
ミアは魔法少女のような杖を使って殴って叩いて……あれ?
やがて立っているのが国王だけになった。
「よわいな!」
「魔法を使うまでもないわ!」
ガッハッハ!とレビーとミアは体を逸らして大笑いする。
「あなたの目的はわかっているわ。この先にある『精霊の世界への入り口』を使って精霊に会い……契約したいのよね。そうすれば自分が王と認められるから」
そもそもトリリアン王国を建国したレクス・ムーナは「精霊に選ばれた」ことで王となった者だった。
それもあり、ムーナ王家の当主は代々精霊の世界への入り口をつかい精霊と契約した者のみが王となることが許された。
ブレイブが新王朝を立ち上げてからは無くなってしまった。
――だが、自分が精霊と契約すれば自分を「愛妾の子」と馬鹿にすることもなくなるのではないか。
「違う?」
「……」
「オダルディはどこ?教えて!貴方が隠したオドーは、どこなの!」
今回も説明多くてやばい……わかりにくくてごめんなさい。
わからないところがあればコメントで教えてくれると。
6話までお読みいただき、ありがとうございます。




