第九十四話
一通り観光を終えるとホテルに戻ってルームサービスで食事を済ませると直ぐに眠る。明日は早くからダンジョンを探索するので出来るだけ疲れを残しておきたくないと言う判断からでありその結果、気持ちのいい朝を迎える。
寝具がとても良質なもので睡眠の質もいいものであり気持ちよく目覚めることが出来て食事や身だしなみを整えると早速、姫路ダンジョンに向かう。
「凄い人だな……」
姫路ダンジョンに挑もうとする探索者が多く列をなしており命は整理券を貰うと自分の番になるまで待たなければならない。早めに来たというのにこれだけの対亀裂が出来ているという事はそれだけ姫路ダンジョンが人気という事である。
缶コーヒーを買って適当に時間を潰す。姫路ダンジョンの情報を纏めた手帳の中身を読み込みながら時間を潰していると番号が呼ばれたので召喚モンスターを召喚する。
「行こうか」
アイン、アヴァリス、フラウ、バトラー、ノワール、十六夜と室内での戦闘であるからかロイドやフォボスと言った召喚モンスターは割けることにした。
モンスターを召喚した事で周囲の探索者は警戒するがそれが召喚されたものであると分かると警戒を解いてこちらを興味深そうに見つめている。
「あれ、デス・ジェネラルだよな?人に使役されている所、始めて見たぜ」
「そうなこと言ったフェアリープリンセスもだろ?滅多に遭遇できないレアモンスターって言われてる」
好奇の目で見られているが命は気にすることなくダンジョンに入場する。入ったら見るからに和風な装いで森の中や草原と言った風景を見てきた命にとってとても新鮮であった。
しかし、それに浸ってばかりはいられず矢が飛んでくる。
足軽
スキル
槍、弓、鉄砲
「鉄砲?使えるっていう話では合ったけど……」
矢だけでなく鉛玉も飛来してきており命に向かってくる攻撃をアインがカバーリングによって防いでくれる。魔力障壁があるのでそんなに過保護でなくてもいいのだが万が一という事もありアインは忠実に命の身を守っている。
現れたモンスターは薄汚れた着物を着た人型のモンスターで戦国ドラマなんかでよく見る格好であり見るからに弱そうな相手であるがそれが整然と隊列を組んでいる。
「あいつが厄介だな」
足軽大将
スキル
統率、鼓舞、号令
最後方で采配を取っている立派な格好をしているモンスターが足軽達を統率しているようであり整然とされた隊列を崩すのは面倒だ。ならばと命は足軽に指示を出す足軽大将を先に仕留めればいいと前衛のアヴァリス、十六夜、ノワールを転移させて奇襲する。
しかし、流石はAランクダンジョンのモンスターであり転移した先に攻撃を集中しておりアヴァリス達は防御に集中して攻勢に転じることが出来ない。
命は大地魔法で壁を作り、矢と鉛玉の嵐を遮る。
「最初のモンスターでこれか……流石は姫路ダンジョン」
見るからに弱そうなモンスターをしっかりとした統率者が扱うだけでこれだけ効果的に運用するのか。その様は学ぶべきであり感心してしまうがこの窮地を脱しなければならない。
一気に足軽大将を倒すことが出来ないのであれば周りの足軽を始末することにする。
「グラビティ・プリズン」
広範囲に重力呪文を展開して足軽の動きを拘束する。それに呼応してフラウとノワールが大規模な魔法を行使して足軽達を一掃していく。見た目通り防御力はあまり高くない様で一撃食らったら簡単に倒れていく。
「ギャ!」
取り巻きが居なくなったことで動揺する足軽大将に向かって雷光の指輪で瞬時に移動したアヴァリスが拳を振るう。足軽大将は刀を振るって対応するが動きは遅くアヴァリスの拳が突き刺さる。
「何とかなったな」
一時はどうなるかと思ったがどうにか倒すことが出来た。あの調子で集中砲火を続けられていたら流石に対処しきれない状態になっていたかもしれない。




