九十二話
それからホテルで数泊した後に命は寮へと帰る。千代田ダンジョンをクリアした後は渋谷ダンジョンを攻略しようと考えていたが初心者にとって登竜門と言われれている渋谷ダンジョンは命のレベルでは物足りないものであると判断した。
そうなると横浜か兵庫と悩みどころであり情報室の当番もある事だし両方のダンジョンを調べることにしよう。寮へ帰って荷物を置いて身だしなみを整えると情報室へと向かって当番をしていた人と交代する。
「どれどれ……」
横浜もダンジョンは幾つかあるが一番の目玉は赤レンガダンジョンで現れるモンスターは銃という近代的な武器で武装しておりかなり厄介で階層を進んでいくと戦車なんかが出てくるらしい。
何で近代兵器が赤レンガ倉庫なんかであるのかは不思議であるが魔力によって強化された銃器は脅威で相応の防具を装備していなければ蜂の巣にされてしまうだろう。
姫路ダンジョンは赤レンガダンジョンとは真逆で刀や弓を持ったモンスターが多く出現するらしく古風らしく最上階の天守閣へ向かうダンジョンであり割と珍しいダンジョンだ。
「両方、行くつもりだけどどっちを先に行くかだよな」
赤レンガダンジョンか姫路ダンジョン。どちらを先に行くか悩みどころで纏められている情報を眺める。命の好みだけ言えば姫路ダンジョンの方がいいが赤レンガダンジョンも捨てがたい。
どちらもAランクダンジョンに分類されるダンジョンであり生半可な覚悟で挑むことは出来ない危険なダンジョンであるが命の実力を考えたらAランク位の難易度でなければ退屈してしまう。
「よし、姫路ダンジョンにするか!」
そうと決まれば姫路ダンジョンの情報を暗記する。覚えきれないものは手帳で纏めればいいので忙しくなる。情報室を使う生徒は少なくないがわざわざ、当番の者に声を掛けるものは居ないので順調に情報を収集できる。
それから数時間も作業に没頭してある程度の情報を頭に入れた。後は遠征の為にポーションといった細々としたものを準備しなければならない。フラウやシャインが神聖魔法を持っているのでポーションは必要ないと思うかもしれないが即座に傷をいやすという面においてポーションの方が即効性に優れている。
「那須に連絡しておくか」
遠征するので多くのポーションが欲しい所であり那須の味も考慮されたポーションを愛用していると他の市販品は受け付けないようになってしまっている。
遠征の為に装備している武器や防具の手入れもしておきたい所なので当番が終わったら金倉の所にも顔を出しておこう。




