第百八話
薙刀は刀よりも長いリーチを有する武器で新たに武器を手に入れたアヴァリスの手甲と武器同士がぶつかると普通の金属音ではなく湿ったような音が響く。手甲に腐食のオーラが纏い、薙刀を引くのが少し、遅かったら腐食によって武器が腐っていた所だ。
「凶悪な武器だな……」
息を吞むほどの禍々しさでその恐ろしさはゾンビドラゴンを倒した命がよく知っている。手に入れたばかりでゾンビドラゴンほど熟練していないがアヴァリスの戦闘能力があればいずれあの領域まで到達することが出来るだろう。
腐食龍の手甲の力を最大限生かすためにはアヴァリスの魔力ステータスは低い。しかし、アヴァリスは有り余る戦闘スキルによって打撃のインパクトの直前に一瞬だけスキルを使うと言う燃費の良い使い方をしており魔力が低くてもこれならば早々、ガス欠は起こらない。
薙刀はアヴァリスの攻撃を警戒しておりじりじりと間合いを保っているがその均衡を破ったのはブランで高速で空中を飛行して薙刀に強烈な爪撃を加えて同時にバットステータスを複数付与する。
「フリィー!」
足が止まった薙刀に向かってフラウの雷撃が降り注ぎ、薙刀は鈍い体を動かしてそれをなんとか回避するが左右からフォボスとロイドが襲い掛かる。ロイドの時空魔法によって一瞬でテレポートしてでの奇襲で薙刀は鈍い体のせいで満足に薙刀を振るうことが出来ずフォボス達のダメージをまともに受けてしまう。
痛々しい姿になるがそれでも薙刀を振るい噛み付いているロイド達を払いのける。満身創痍というのに戦意を失っておらず雷光の指輪によって高速移動したアヴァリスの腐食の拳が胸を貫く。
「息を付かせてくれないな」
強敵ばかりで嫌になるが次々と現れる強敵の出現に嬉しくなっている自分がいるが体は正直であり疲労を告げている。激戦続きで息つく暇がないのも事実であり休息を取ろうとしようとするがそれをさせまいとモンスターが次々とやって来る。
「わらわらと……」
呆れながらも対応する。バジレウスを召喚して一気に焼き尽くそうかとも思ったが見るからに木造建築である姫路ダンジョンでそれをしてしまったら自分諸共、炎上するかもしれないという考えが頭をよぎり止める。
ブランの状態異常は一体ずつにしか付与することが出来ないのでこう、大勢でこられると結構無力であるがそれでも空中から高速で攻撃してくれると言うのは結構、有難い。
一番活躍しているのはアヴァリスで腐食のスキルを有効活用して一撃必殺を繰り返しており返り血で体中、血だらけである。




