第九十九話
戦闘が終わり流石に三層に挑む気力は無いので帰還する。真っすぐ宿泊先のホテルに直帰してシャワーを浴びてソファーに腰掛ける。
「結構、ルームサービスが充実してるって話だったよな」
安城が言うには大抵のものは用意してくれるとのことで備え付けの端末に触れると頼めるルームサービスの一覧が乗っており取り敢えず珈琲と夕食を頼むことにする。
バトラーを召喚して料理を作らせればいいと思うがデイリーマンションの様にコンロなどが設置されているわけがなくこの高級マンションの部屋で料理を作るのは流石に気が引ける。
「どうぞ」
「失礼いたします」
ノックされてトレーと共に頼んでいたものが運ばれる。スタッフも教育が施されている様で所作1つとってもゲストに不快な思いをさせないようにと隅々まで気を付けている様でダンジョン帰りで疲れている命はまったく気にしていないが。
珈琲とカレーという一見、合わなさそうな組み合わせであるがそんなことよりもお腹が減ったのでスタッフが下がると早速、食べ始める。
空腹に染み渡るスパイスの効いたカレーであるがそんなに辛くはなく食べるのが大変という訳ではなく野菜や肉の旨味が浸みこんだカレーで珈琲もいい豆を使っているのが分かる。
「明日はどうするかな」
食べ終えてゆっくり珈琲を飲みながら明日の予定を決めていく。ダンジョンに挑みたいと言う気持ちもあるが二階層も連続で進んだので意外と疲労が残ってしまっている。
なので明日、一日は休養することに決めた。適当に観光でもいいのだが、初日に色々と巡ったばかりでありどうしたものかなと考える。
「そういえば姫路には秘湯があるって話じゃなかったか?」
そういって安城から渡されたメモを読み返す。知る人ぞ知る秘湯で疲労回復だけでなく怪我にもいいと言うもので友人たちにもいい土産話になるだろう。
詳しい住所も記されているが流石は秘湯と言われるだけはあり山奥の中に存在しており道なき道を進まなければならない。
「なら、今日は早めに寝た方がいいかな……」
どの位の時間を要することになるか分からないので今日は早めに就寝することにする。
寝る前に一応、日課となっている探索での出来事を纏めた本を執筆する。探索者になる前から色々な情報をノートに書き綴って来たので慣れた作業であり今は情報部にも提出しているのできちんと清書しなければならない。
探索中に書いた走り書きのメモを解読してきちんとした文章に起こしておりその作業は意外に長かった。




