第九十八話
皆朱槍を倒してから暫く進んでいるとボス部屋の前に辿り着く。ユニークモンスターと思われるモンスターを倒したばかりだと言うのにこれからボスとも戦うことを面倒に思いながら襖を開く。
武将
スキル
大太刀、闘争、突貫
ボス部屋に居たのは全身を甲冑に身を包み身の丈ほどの大太刀を手に持っているモンスターで見るからに強そうなことが分かる。真っ先に駆け出したのはアヴァリスではなく十六夜で神通力でホバー移動の様に地面を滑りながら間合いを詰めていく。
「フン!」
大太刀と白刃がぶつかり合い鍔迫り合いとなる。武将はかなり筋力が高いようであるが十六夜の筋力も負けてはおらず神通力によって独りでに矢が番えられて武将に向けて放たれる。
僅かに顔を逸らして回避するが武将の背後から翼をはためかせたノワールが現れる。手に持つ灼熱龍の魔杖は炎を纏い思いっきり振られて武将の腹部にクリーンヒットする。
武将は剛撃のスキルが込められた一撃によって耐性を大きく崩しておりその隙を十六夜は見逃さない。鞘に納めた刀を神通力によって加速させて抜刀術と掛け合わせた神速の抜刀を振るい大きな傷を作る。
「ギャ!」
体勢が崩れたのをチャンスと思って遅れてやって来たアヴァリスが拳を振るうが流石に二撃も食らえば体勢を立て直して武将はアヴァリスの拳を大太刀で器用に受け流して必殺の拳を無効化する。
「フリィー」
アヴァリスの攻撃を凌いだ武将に容赦なくフラウの雷が降り注ぐ。武将は全身甲冑とは思えない機敏な動きでそれらを回避していくが全てを避けることは不可能で何発か食らってしまう。
「グラビティ・ランス」
雷を受けて動きを止めている武将に向かって放たれた重力呪文は吸い込まれるように武将に命中し地面へと縫い合わされる。圧倒的な重力から逃れようと暴れるがかなりの魔力を消費して放たれたもので力づくでは逃れられない。
時空魔法の恐ろしさはそこにあり単純な力でどうこうできるのあはそれだけ規格外な力があってこそであり魔法に対する耐性でもなければ食らってしまったらひとたまりもない。
「カタカタ」
≪召喚モンスターのレベルがアップしました≫
十六夜
鬼神
レベル5→6
最後にはアインによって首を切られる。地面に倒れている武将の首を跳ねる事はアインにとっては容易でボス戦が終わる。重力呪文を最初に使えばいいと思われるかもしれないが武将が万全な状態であったら避けられていたことだろう。
十六夜とアヴァリスの攻撃によって消耗しフラウの雷撃を浴びた後だからこそ隙が生じて直撃させられたのだ。




