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【第二部 第3話 誰のための味】

「……美味いけどな」


佐吉が言う。


だが、顔は浮かない。


「売れねえ」


沈黙。


———


新之助は、考える。


(誰のための味だ)


(誰に売る)


———


「京の人間か」


商人が言う。


「それとも、この辺か」


沈黙。


———


「分ける」


新之助は言った。


空気が変わる。


「……何をだ」


「客だ」


———


「京向け」


「地元向け」


指を立てる。


「味も、値も、変える」


———


「そんなこと、できるのか」


佐吉が問う。


新之助は、静かに答える。


「やる」


———


数日後。


二つの料理が並ぶ。


香りを活かした上品なもの。


そして——


味を強くしたもの。


———


「……違うな」


客が言う。


「こっちは、分かりやすい」


「こっちは、高いが、納得だ」


———


(通じた)


新之助は、静かに頷く。


———


「だが」


商人が言う。


「量が足りねえ」


沈黙。


(次の壁だ)


――続く

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