表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/36

【第二部 第2話 高すぎる価値】

「高いな」


それが、最初の反応だった。


坂井新之助は、並べた松茸を見つめる。


香りはいい。


形も悪くない。


だが——売れない。


「こんなもん、誰が買うんだ」


客が言う。


そのまま、去っていく。


———


「……厳しいな」


佐吉が呟く。


新之助は頷く。


「ああ」


(価値はある)


(だが——伝わっていない)


———


「安くするか」


商人が言う。


新之助は、首を振る。


「違う」


短く言う。


「安くするものじゃない」


沈黙。


———


(高い理由が、必要だ)


———


「料理にする」


新之助は言った。


空気が変わる。


「そのまま売るな」


「価値を、見せる」


———


夜。


火が入る。


香りが立つ。


だが——


「……焦げてるな」


佐吉が言う。


沈黙。


味は、悪くない。


だが——


「売れる味じゃねえ」


商人が言う。


———


(失敗だ)


新之助は、静かに認める。


(料理も、簡単じゃない)


———


「やり直す」


短く言う。


——失敗から始まる。


――続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ