最後までお願い!
ミツキちゃんの悩みの一つが胸の大きさ。
見た目はAカップ。本人が主張するにはBカップ。
だったら何の問題もないはずなのになぜかやたらと気にしている。
仕方がない。ここは自分も一つさらけ出すとしますか。
それが優しさ。先輩としての余裕だ。ただ少し恥ずかしい。
「へえミツキちゃんって小さいんだ…… 」
「うるさい! それ以上言わないで。本当に気にしてるんだから。
どうせ私は小さいですよ」
おっと…… 開き直ったぞ。それでいい。小さいことは気にするな。
まずいまずい。こんな言い方したら余計に誤解を招くぞ。
「それを言うなら僕だって人並よりは小さいよ」
「もう元気ってば…… こんな時に困らせないで」
「おいおい何か勘違いしてないか? 」
「でもほら…… 人よりも小さいって…… これでしょう? 恥ずかしい」
とんでもないものを手に取って恥ずかしがる。引っ張られると凄く痛いんですが。
「いやいや身長に決まってるだろう? こんなんところ調べられないって」
「でも男子はそう言うの気にしない。元気だって卑猥なことばっかり」
明らかに人違いだ。卑猥なことばかり言ってたらとっくの昔に嫌われている。
もし僕にそれほどの勇気があるならもっと積極的に動いてるだろう。
碓氷さんだって光じゃなくて僕を選んでいただろうさ。
もちろん碓氷さんが下ネタ好きって訳ではない。それでも第三の山田よりはマシ。
ただその積極性が欲しいかと言えば別にと腕を組むだろう。
「嘘? 僕は紳士だからつまらないことしか言わない。それがコンプレックス」
「はいはい。だったらもういい」
「もう終わりにする? 」
「そんな訳ないでしょう! 話を終わりにするの。首は止めてね」
うわ…… 僕って超危険人物? へへへ…… では改めまして。
「首は絞めないけど舐めてもいい? 」
「好きにして。でも手は本当にダメ」
首絞めを嫌がるあまり首舐めに無頓着なミツキちゃん。
「では遠慮なく」
おかしいな。首を絞めたり舐め回したりするような人間じゃないんだが。
何かに影響されたか? 自分でも気づかないうちに傾倒したらしい。
これは引かれた? 明らかに変態じゃないか。
ミツキちゃんのお陰で自分の性癖を認識できたがやっぱりどこかおかしい。
でも彼女が許してくれるなら問題ないさ。
首も嫌と言うほど舐め回したことだしそろそろ超危険ゾーンへ突入するか。
それにしてもあまりおいしいものでもない。ミツキちゃんも何だか嫌がってたし。
ちょっと思ってたのと違った。
ではそろそろ…… その前に靴下を脱がす。
うん? どれどれどんな匂いかな…… うわ臭!
「ブーツ履かない方がいいよ。とんでもないことになってるぞ」
ついおかしなアドバイスしてしまう。これも余裕の表れ。
「ほら馬鹿言ってないの」
優しく包み込んでくれる。こんなにも包容力があるとは思わなかった。
よく包容力のある人がいいと聞くが僕もそんな人間になれたらな。
「その…… 本当にかわいいよ」
まずい。またしても怒られてしまいそう。
でもかわいい以外思いつかないんだよね。語彙力のないただの第三の山田だから。
首絞め以外すべて許されている。それなのにどうしても積極的に行けない。
「ほら早く…… 」
「待ってくれ! 雨が…… 洗濯物がずぶ濡れだ」
昼過ぎには降って来る予報だった。雨音が聞こえてくるほど。
急いで取り込まないと。でもミツキちゃんが許してくれない。
「いいから集中しなさい! 」
クレームが入る。しかし集中したいからこそ早めに取り込んで……
これでは留守番してる意味ないじゃないか。気づかなかったでは済まされない。
叱られるのは僕なんだぞ。早く洗濯物を取り込ませろ。
「洗濯物が…… 」
「いいから! 今はこっちに集中して! 」
いつ爆発してもおかしくないミツキちゃん。
これ以上余計なことに気を取られれば女としてのプライドまで傷つくことになる。
仕方ない。ここは一気に行ってしまおう。
まずはブラを取って解放してやる。
うん。この絶景が見たかったんだよ。その為に生きていたようなもの。
おっと…… 何をおかしなことを?
うんうんうまい。小ぶりで何とも言えない絶妙な味がする。
焦ってどうにもならない思ったが意外にも自分が冷静なのに驚かされる。
ああ…… そしてついに禁断の森へと歩みを進める。
もう本当に戻れれないかもしれない。
「ハイ脱ぎましょうね」
「ふざけないで! 」
まずいまずい。どうやらご機嫌斜めらしい。やり過ぎた感がある。
でも初めてだから許して欲しい。
「お願い名前を呼んで」
どうやら興奮してるよう。感じてるのだろう。
「ミツキ…… 」
「元気ってば痛い! もうどこ触ってるの? 」
よしもうこのくらいでお楽しみは後に取っておくか。
だがそれを許さないのがミツキちゃん。
「早く最後までお願い! 今更怯まないでよ! 」
我がまま過ぎる。いや感情に素直なんだろうな。しかしそれがまたいい。
僕もこんな風になれたらな。尊敬するよ。でも僕は第三の山田だから……
「ねえどうして僕なの? 」
果てる前に聞いておきたい。
「今それを聞くの? タイミングがおかしくない? 」
照れなのか本気なのかいまいち区別がつかないミツキちゃん。
「おかしくないよ。聞かせてくれないか? 聞きたいんだ」
格好つけたい年頃。
実際はもうそんなことはどうでもいいのに。
興奮を悟られないようについふざける。
ハアハア
ハアハア
荒い息と喘ぎ声がする。
「私…… あれ? 分からない」
どうやらよく分からずに好意を持たれたらしい。それは嬉しいが僕の魅力って何?
「このままずっと…… 」
抵抗試みる両腕を押さえ込んで動きを止めてから火照った手と手を重ね合わせる。
すると自然と涙が零れる。
始めはミツキちゃんのもの。あるいは違う液体かとさえ思った。
しかしすぐに熱を失った涙は僕の目から零れ落ちたもの。
僕がなぜ? 怖いのか? 哀しいのか? それとも嬉しいのか?
ただ漠然としていてどれとも取れずにはっきりしない。
熱が冷め呼吸も整う。
もうすべてが終わった。後悔はしないがこれが正しかったのかは分からない。
続く




