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四日ぶりの感触

あまりに自然なミツキちゃん。まさか僕のいない間ずっと我が家に?

恋人とか言っておきながら乗っ取りを企んでないか?

この際細かいことはいいとして部屋を荒されてないか心配。

帰って来て一番にすることが部屋の片づけと言うかチェックだ。

面倒だけどやらないと落ち着かない。ベッドを勝手に使ってないよな?

部屋にはミツキちゃんには絶対に見られてはいけないあるモノが隠されている。

仮に気づけば口を封じないといけない。そんな危険な代物。


「どうしたのミツキちゃん? 光だってお土産をたくさん買ってるさ。

だから大人しく戻りな。心配するぞ」

こんな風に優しく諭す。それがミツキちゃんの為。

いつまでも僕の家に入り浸るのはよくない。

僕が光の家に行くのはいいがこれでは歯止めがかからない。


「お土産なんかどうでもいい! 」

うわ…… 我がまま。せっかく買ったのに酷い言われよう。美味しいのに。

「他に何がある? 」

「寂しかったの元気! 」

おっと今日は積極的だ。本当に僕がいなくて寂しかったのだろう。

だからって僕にはどうしてやることもできない。

ただ抱きしめるぐらい。それで寂しさが癒せるならいくらでも。

「ほら何を言ってるんだ。大丈夫だからね」

仕方なく肩を抱く。久し振りの触感。ああどうしても離したくなくなる。

うん。匂いも悪くない。ちょっぴり大人の香り。シトラス?

「ほらもう遅い。早くお家に帰りな。光が心配するぞ」

家に帰ったら妹がいないと発狂しかねない。ははは…… 少しオーバーかな?

とりあえず慰めよう。

結局ミツキちゃんは何がしたいのか? したかったのか?


駅まで送る。

別に泊って行ってもいいがさすがに光の目もあるからな。

「元気…… 」

離さずに甘えた声を出す。

「どうした? いつもそんなかわいくないだろう? 」

本当はいつだって物凄くかわいい。だがそれを言うと付け上る。

三日ぶりの再会など恋人ならよくあること。

一週間でも一か月でも会えない時は会えないもの。

それで寂しくなっていちゃ遠距離は続かない。僕たち近距離だけどね。

いつか離れ離れになることだってあるだろう。

別れざるを得ない場合もある。

そうなっても僕は光の妹としての関係は続けるつもりだ。


「ちょっと公園に寄ってもいい? 」

嫌らしいことしないならいいと。

当然疲れていてそんな気力もない。大体嫌らしいことって何?

手を触れるのも抱きしめるのもキスするのまで嫌らしいに含めたら何もできない。


さすがに今の時間は人は僅か。見える範囲では五人ぐらい?

散歩か筋トレかウォーキング。主に運動する人。

それか犬の散歩か遊具に遊びに来た近所の者。

夜遅くに月明かりでブランコに乗るのが結構いる。

よく見かけるのはロング缶片手で漕ぐ酔っ払い。

こんなところだ。僅かとは言え人がいるので何かする訳でもない。

ただ話をするぐらい。しかも修学旅行の話は避けなければ。

だって碓氷さんとの話がほとんどだから。それを隠しながらは難しい。


「ちょっとどこ触ってるの? 」

またかよ。どうして僕を困らせることを言うんだ。触ってないだろう?

「どうしたのミツキちゃん? おかしなこと言うなって」

「嘘! 元気ってばお尻触ってるでしょう? 」

具体的に言うから困った。これだと僕は変態じゃないか。

「ははは…… 前を向いてるのにどうお尻に触れるんだよ? 」

二人で面と向かって話してるのにどうやったらお尻に届くのか。

もっと密着してれば別だが…… いやそれなら嫌がるはずがない。


「嘘…… 元気じゃないの? 」

そんな言い方したら他の人が触ってるようじゃないか。やり過ぎだ。

暇な変態はいるだろうがここには存在しない。

「どうしたんだよミツキちゃん? 」

どうも拗ねてるような気がする。トラブルを起こして気を惹こうとしてる?


「いいよ触っても」

大胆発言だな。そう言えばもう二人は結ばれたんだったけ?

あのスキーの夜にほぼ結ばれた。でもまだ完全ではない。

ギリギリで留まった。だがそのことをもって二人の関係を否定はできない。

あの日二人は間違いなく愛し合ったのだから。

彼女の度胸と積極性には圧倒されるばかり。

 

「ではお言葉に甘えて…… 」

許可が必要だとは思いもしなかった。逆に新鮮。

「そこ違う。もっと上でしょう? 」

まずいまずい。足が気になって触ってしまった。

「そうか。寒そうだよその格好。まだ夏でもないんだから無理するなって」

素足が寒そうだ。いや実際冷えていた。これは温めてあげるか?


「へへへ…… 」

つい上へ上へと動かしてしまう。

「ちょっと元気! 」

「悪い。ゴミみたいなのがついてたから払ってあげたんだよ」

「もう元気ってば言い訳が下手! 」

どうやら満更でもないよう。このまま続けてもいいけどもう遅いよな。

「よし行こうか」

そう言って無理やり手を引っ張る。

「もう元気痛いよ! もっと優しく! 」

誤解されるような言い方するなよな。これでも神経使ってるんですけど。


「ほらおやすみ。冷える前に帰るんだ。いいな? 」

「もう元気の馬鹿! 」

あれ…… どうやら不満らしい。もしかしてもっと触ってもらいたかったのか?

しかし僕は変態じゃないし。嫌らしいことをするなって……

まずい。碓氷さんとずっと行動していたから飼いならされていた。

これは魅力を失ったか? 嫌われた? それはそれで仕方ない。

いくら格好よく見えたとしても所詮は第三の山田さ。

幻想を抱かれてもどうしてやることもできない。

格好いい男ならその辺に吐いて捨てるほどいるんだから僕に拘る必要はない。


それにしても最近このパターン多いな。

勝手に人の家に上がり込んでまるで恋人のように振る舞う図々しさ。

結局送る羽目になる訳だ。それが嫌かと言えばそうでもない。

イチャイチャできるのはプラス。でもそろそろ二人のことを本気で考えないとな。

どうやって二人と同時に付き合うか? ただそれだけを考えている。

しかし考えれば考えるほど泥沼に嵌っていく。そんな感じがする。


修学旅行を終えてクタクタなところでミツキちゃんの相手。

さすがに疲れたな。もう寝よう。


                続く

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