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求め合う者たち

現在告白作戦進行中。

「はあはあ…… 」

「ちょっと元気ってば…… 」

「いいだろう? そのつもりで来たんじゃないのか? 焦らすなよ」

「もう元気ったら! 」

密会するたびに体を重ねてしまう。


一線を超えてしまうと歯止めが利かなくなる。こうなることは分かっていた。

その衝動が収まることはないだろう。自然なもの。

ミツキちゃんにその気がなくても僕が我慢できずに求めてしまう。

そこには僅かながらの罪悪感がある。でもだからって止められない。

これが愛であるならばそれは罪深いものではなくただの自然な行為。

恋人関係である以上ある程度は仕方ないこと。


週末に我が家で。もちろん自分の部屋で。

両親公認だから難しくない。逆に両親の方が気を遣うぐらいだからな。

これもすべてミツキちゃんのなせる業。要するに強引なんだよね。


学校の帰りならミツキちゃんの部屋で。

隣が元気の部屋。なぜか光が家にいる時にわざわざやろうとする。

気づかれるか気づかれないかのハラハラドキドキ感が堪らないそう。

最低だが同意するところ。二人とも最低だよ。

それに気が付かないのもどうかと思うが今のところ怪しまれていない。

それまでも僕らは二人で遊んだり楽しんだりしていた。

奴が忙しい時は代わりミツキちゃんが。だから不自然には映らない。


そしてたまに宿泊施設で。

ほとんどの場合帰るまで待てないミツキちゃんの我がままに付き合う形。

どれであれ僕たちはもう慣れたもの。

今日は留守番も兼ねてミツキちゃんとゆっくりしている。


「元気もう一度? 」

「何を言ってるんだよ? そんな貧相な体では無理だって言ってるだろう? 」

ついきつい口調になる。でも何度も求められても僕にだって限界がある。

分かってるはずなのにミツキちゃんは我がままばかり。疲れるぜ。

「はあ? 元気のくせに生意気! 誰が貧相だって? 」

怒り狂うミツキちゃん。困ったなどうしよう?

「いや…… かわいいって言ったんだよ」

どうも最近適当に誤魔化してる気がする。

ミツキちゃんを適当にあしらって発散しようとしてるんだろうな。

自分でも最低だなと思ってる。自覚はしてるのさ。

この自覚がなくなったら危ない。気を付けないと。


「もう元気ってば…… それでどこがかわいいの? 」

ミツキちゃんは当然あると思ってるのだろう。しかしそれが分かれば苦労しない。

「全体的にかわいいかな。うんかわいいよ。

こんなかわいい女の子が目の前にいるとはまるで夢のようだ」

褒め続けるとどうも嘘臭くなってしまう。もちろんかわいいし魅力的だと思う。

でも具体的には挙げにくい。そもそも語彙力がない。


「そう? でも具体的に言って欲しいな」

「無茶言うなよ」

「ほらいいから私のかわいいところを十個挙げなさい! 」

どうやら冗談ではないよう。

まるで教師のように厳しくて言うまで許してくれない。

「十個も? 胸が特徴的でかわいい」

「もう胸は禁止! どうしてまともに答えないの? 」

「ははは…… 」

「仕方ないな。だったらもう一回。教えてあげるね」

こうしてミツキちゃんの思い通りになる。

彼女はそれでいいだろうけど僕は本当に限界なんですが。


ふう…… すべてを終えて一息つく。

ここでお酒でもタバコでもあれば格好がつくんだろうがまだ高校生だから。

仕方ない。チャップスで我慢。

ペロペロ舐めて心を落ち着かせる。

「何か作ってあげようか」

唐突に軽食を作ると主張するミツキちゃん。でも確か料理が苦手だったはず。

僕だって人のことは言えないが味覚はしっかりしてるよ。


「悪い。せっかくだが鍋が壊れて使えないんだ。来週買いに行くことになってる。

だから無理しない方がいい。それとレンジも古くなってて…… 」

前回冷えてたのは解凍に失敗したのではなくレンジが壊れたからだった。

レンジも買い替えを検討している。下取りしてくれるといいんだが。

ミツキちゃんが触ったからぶっ壊れたってことはないよね?


「もうこれじゃ作れない! 」

下手…… ではなくただ苦手なミツキちゃん。何かを作ろうと必死になっている。

気持ちだけで嬉しい。無理することはない。

「ははは…… 助かった…… ではなく客なんだから無茶するなよ」

「いいから! どうせ元気は私のことからかってるんでしょう? 」

いつの間にか裸で迫られるから困ってしまう。下着ぐらいしろっての。

こうして三日に一度の間隔で密会を重ねる。


「さあ始めるか」

「また? 元気がどうしてもって言うなら」

そんな風に照れるミツキちゃん。

「今日はこれくらいで」

来月いよいよ告白することに。その前に練習が必要。

僕が碓氷さんに。ミツキちゃんが光に。

その話をしてるとなぜか泣き出すミツキちゃん。

どうやら不安でいっぱいらしい。可哀想に。


「無理するなって。僕がついてるからな」

励ましの声をかける。どうもミツキちゃんは自信がないとネガティブに。

やはり光に告白するなど初めから無理な話。どうしてそこまでしようとする?

上手く行こうが失敗しようが兄妹の絆は変わらない。不変だと信じている。

それに光だってミツキちゃんの気持ちをとっくに理解してるさ。


うーん。何だか嫌な予感がしてきたな。修復不可能になりそう。

やはりここは無理させないで慎重になったほうがいい。そう主張すべき。

でも僕のアドバイスを聞くタイプではない。

いくら言っても私も告白すると言って譲らないからな。


恐怖を克服しようときつく抱き合う。僕としては嬉しいので止めにくい。

でもこれはミツキちゃんの為を思えば受け入れるべきじゃない。

優しく諭すかそれが無理なら温かく見守ってあげる。これが大人の対応だろう。

もちろん僕はまだ高校生の第三の山田だけどね。


「ミツキちゃん? 」

「大丈夫! 心配しないで。きっと成し遂げるんだから! 」

必死なミツキちゃんを思えば止めるのは違う。

でも傷つくのは彼女。これ以上悲しませたくない。

うーん。僕はどうしたらいいんだ? どうしたら……


               続く

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