自己紹介後半
「次はアリシアとアダム」
「なぜ俺たちだけ二人で一人みたいな扱いなんだ」とアリシア。
「二人で獣王に就任することになったからよ」とリベルタス様。
「俺はアリシアだ。でこっちが」とアリシア。
「アダムよ」とアダム。
「私たち昔、リベルタス様に入れ替えられたの。もともとは私がアリシアでこっちがアダム。でももう二度と戻さないとさっきリベルタス様がおっしゃって……うう……」アダムが泣き出した。
「泣くな、アリシア」とアリシア。アリシアもちょっと泣いている。
「だーかーらー、アリシアとかアダムとか紛らわしいでしょ」とリベルタス様。「あなたたちお互いを呼ぶ時も元の名前を使うの禁止。今の名前で呼び合いなさい」
リベルタス様、容赦ないっすね。
「泣き出した二人を置いておいてレイちゃん行くわよ」
「えっと……僕気になってたんだけど……、僕ここにいていいの? この状況で呼び出されて、この順番ってことは……あれだよね? 僕王族どこか貴族ですらないのだけど」
「いいえ、レイちゃんあなたであってるの、説明は後でするわ。そうでなければサキュバス初の特待生になんかなってないわ。帝国士官学校はお金だけで入れるほど甘いところではないわ」
昨晩と言っていることが違いますよ、女神様」
「レイ・リリス。淫魔です。両親は快楽薬の研究と製造・販売をやっています。私自身も性について研究を……」
ウェル皇子は口に出しこそしなかったが、「淫魔がなぜこんなところに……しかも帝国中をたぶらかしている快楽薬の製造者だと……」と言いたそうな顔をしていた。
「アリシアとアダムには思いっきり強力なの投与してあげてね」とリベルタス様。
ウェル皇子はムッという表情をしたが、何も言わなかった。
そして……
「あっ」と声が聞こえたと思ったら、
バチバチバチっと音がして、身体中がしびれた。痛みに慣れた私は大して痛くなかったが、あたりを見ると、リベルタス様が笑顔でこっちを見ていて、ヴァンが倒れてヒクヒクしていた。さっきのバチバチは私とヴァンを狙ったものかな。
「ヴァン、フェニカ。あなたたちにはお仕置きが必要なようね」とリベルタス様。
え、なんで私? そもそもヴァンって手を縛られてなかったっけ?
「お姉ちゃん。ヴァンさんがお姉ちゃんの剣を盗ろうとして、お姉ちゃんごとリベルタス様が罰したの」
「お姉ちゃん?」と全員の顔に書いてあった。
「エルフの王女が人前でフェニカをお姉ちゃんと呼ぶことの意味はあとで教えてあげるとして……、私には『自由の翼』がぞんざいな扱いされていることの方が大問題なの」
「何を言うか。人生で三回盗まれたくせに」と校長。
「ちょ、バラさないでくださいよ、ミル様。そもそも校長がちゃんとヴァンを縛っておけばこんなことには……」リベルタス様焦ってる。
「後にせい」一喝した。
「はい」最初は校長がへりくだっていたのにどんどん力関係が逆転していくなぁ。
「それじゃあ、次なんですが、私その子知らないんですけど」とリベルタス様が進行しようとするが、リベルタス様が知らない人?
「ふむ。ナレッジ・ハル。自己紹介を」
「私の名前はナレッジ・ハル。真理の探求者であり、永遠の苦悩者である」
「私の弟子だ」
「また、私の管轄外ですか。神様みんな秘密多すぎなんですよ」リベルタス様が嘆いているが、もしかしてリベルタス様って下っ端?
「私は神ではない」と校長が言うのに対し、「あーはいはい、わかりました」もうなんか投げやりだ。
「で、最後は私の秘蔵っ子、フェニカちゃんです」
初めてちゃん付けで呼んでくれた。ちょっと嬉しい。
「フェニカ・ジルバです。パラディオンを生き残った解放奴隷にして、不死鳥とドラゴンを身体に宿すもの。女神リベルタス様の司教であり、『自由の翼』の所有者です」
あれ、なんか反応薄くない?
「フェニカちゃんそんな肩肘張らなくていいの。そこで寝てるヴァン以外は、みんなあなたのこと知ってるから」
先に言ってください。




