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山高文芸部の事件簿  作者: 文芸部員
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14/16

文化祭二日前およびピースがすべて揃うとき #1

コウメイは昨日の事件のことを二人に固く口止めしていた。

「あまり騒ぎを大きくしたくはない」

とはコウメイの談だが足跡事件のせいでもう大きくなっている気もする。

コウメイは次の日一日は授業すらも聞いているのか聞いていないのかわからないような感じで七不思議事件について考えていた(しかしそれでも授業中の小テストは満点だったようだ)。


「どうだいコウメイ。なんかわかったか?」

昼休み、コウメイの席に法明がやってきた。

「いや。何か足りない気がするんだよ。二つともトリックはだいたい予想が付いてるんだけど、何か足りない」

「何かか。まあ、コウメイが考えてもわからないものが僕にわかるわけがないからな。五時間目は理科だ。はやくいこう」

「ああ。あ、その前にちょっと付き合ってもらってもいいかな」


コウメイが向かったのは図書室だった。それも普通の生徒が使っている本棚ではない。図書室の端、布のかかった本棚に向かったのだ。

「この中に昔からの卒業文集が収められていたんだ。僕はそれを調べている時に何者かにのぞき見をされていたんだ」

「え?」

法明が思わず声を上げる。それもそのはずだ、彼も数日前盗み聞きをされているのだ。

「コウメイ、実は僕らも・・・・・・」

法明がコウメイに事情を話す。こんな短期間で二箇所で起こったこんな怪しげな事実が偶然であるわけがない。

「なるほど。少しずつわかってきた。二箇所で同時に起こった奇妙な盗み聞き。グラウンドに現れた不自然な足跡。戸を閉めたとたん突然開かなくなった体育倉庫」

コウメイの目がいつもに比べて燃えているようにも見えた。

しかし、法明はここである厳しい現実に気づいた。

「コウメイ。授業開始まであと一分なんだが」

次の授業は理科室である。到底間に合うわけもなかった。


「・・・・・・あんたたち、何してるわけ?」

理科室に隙を見て侵入したコウメイと法明。そこにかけられたのはもうひとりの文芸部員からの言葉だった。

「コウメイくんはともかく、ノリ君なんて遅刻してたらホントに留年することになるわよ」

「わかってるよ。今回のは不可抗力だ。で、今何の実験してるんだ?」

葉月が机の上にあるプラスチック容器を指差した。中には大量の氷が入っている。

「寒剤の実験よ。ほら、知ってるでしょ?氷に塩をかけると零度より低い温度になるっていうの」

知らなかった。しかし、コウメイはなるほど、という顔で頷いているので間違ったことは言ってないようだ。

「なるほどね」

とりあえず知ったかぶった。


授業が終わった。氷が先生のもとに集められていく。今更、というか今更なのだが理科を教えていたのは石山だった。

氷がガラガラとバケツに集められ、溶かされていく。

「待てよ・・・・・・」

と、唐突にコウメイが声を上げた。そこは理科室から出たところの廊下だった。

とりあえず遅刻したのは間違いないので石山からふたことほど(明らかに少ない。要するに面倒くさかったらしい)注意を受けていたので他の生徒は近くにはいなかった。

「?どした?」

「ノリ君。ちょっと待っていてくれ。石山先生に質問がある」

コウメイがたった今出たばかりの理科室へ戻っていた。

コウメイが質問など、珍しい。おそらくは勉強についてのことではなかろう。では何か。

今回の事件のこと以外ありえなかった。

数分後、公明は満足気な顔で戻ってきた。

「ノリ君。これでようやくピースが揃ったようだ。やっと絵(じけん)の全貌が見えてきた」

コウメイがニヤリと笑った。勝利を確信した笑だ。


「ノリ君。ここからが僕のターンだ。反撃開始と行こうか」

さて、やっと謎解きです

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