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シズクノキオク  作者: 早瀬 
シズクノヤクソク
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苦難の始まりの朝

 朝ルナが起きると隣で寝ていたはずの雫の姿が見当たらなかった。

 もしかしたら昨日の出来事はすべて夢だったのではないか。そう思うとベッドから飛び起きてリビングへと向かう。

「雫君!!」

リビングのドアを開けると、そこにはエプロンをつけてテーブルに朝食を並べている雫の姿があった。

 雫はルナの姿に気づき恥ずかしそうに顔を赤らめる。

「おはようございます。もう少しで起こしに行こうと思ったのですが、昨日のことがあって少し恥ずかしくて・・・」

 その言葉を聞いて、ルナは安堵したのか、リビングの床へと座り込む。

「よかった~!!」

 ルナの行動に雫は頭を傾げながらもルナの元へと歩み寄り手を差し伸べる。

「朝食が出来上がってますよ。顔洗ってきてください」

「うん!」

 よかった夢じゃない。ルナは笑顔で洗面所へと向かった。

「さてと、今日当てられて答えれるかな・・・」

 朝食が並べられているテーブルの上に置かれている英単語帳を手に取りルナが戻ってくるまで凝視した。

 

「ところで、どうして雫君は朝食を食べながらもそんな一心不乱に英単語帳を眺めているのかしら?」

「ルナさんが昨日結局勉強を教えてくれなかったからじゃないですか!」

「あっ、ごめん」

「いえ、いいんですけど」

 テレビに映し出されている時刻を確認するともう、7時半を回っていた。この後は、もう身支度をしていかなければならない。

 食器を洗うのは帰ってきてからにするとして、残り時間は15分程度。雫はすでにあきらめがついていた。

「雫君。かなり絶望感あふれる顔だけど」

「いや、授業についていけない時のことを考えると、あてられる恐怖というものがありまして」

「そうなの?」

「ルナさんは勉強ができるから感じないかもしれませんが、勉強できない人にとって当てられる恐怖というものは少なからずあるんですよ」

「なら、今日は帰ってきたらしっかり教えるから」

「お願いしますよ」

 意外と覚悟を決めたらどうにでもなるものだった。しかし、勉強以外にももう一つの問題があった。

「僕たちの関係どうします?」

「どうって・・・・どうしよう?」

 両者ともに赤面して下を向く。

 ルナは学校でも人気な存在。女子生徒にも人気だが、男子からの人気が特にあつい。そんなルナの彼氏になったとしたら。

「殺されるな」

 今日はどうも厄日になりそうだな。

「隠しましょう。何が何でも隠すんです!!」

「そ、そうね。でも、大丈夫かしら?」

「大丈夫です、任せてください」

「うん、期待してるわ」

「はい!!」

 二人は恋人同士になって初めて一緒に学校へと向かった。


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